【山本　友子さん（兵庫県）】

　初めて参加させていただいた聴覚障がい者の女性です。

　学生時代はスキー同好会に所属していましたが、社会人になってからはなかなかスキーに行けなくなり、カービングスキーの波に乗れないまま、次第にゲレンデから足が遠のいてしまっていました。

　今回は、知的障がいを持つお子さんがいる友人の紹介で、障がい者スキー教室というイベントがあることを知り、再チャレンジするつもりで参加しました。

　私がスキーを始めたきっかけは、高校の修学旅行です。講師の説明が聞き取れなかったため、みようみまねでスキーを覚えようとしたのですが、ズルズルと転んでばかりでなかなかうまく滑れず、皆からどんどん離されてしまい、泣き出しそうになったのを今でもよく覚えています。　　

修学旅行ではあまりにも惨めな思いをしたため、何とかして人並みに滑れるようになりたいと思い、大学ではスキー同好会に入りました。

　コーチも手話通訳もなかった学生時代は、とにかく先輩たちの滑りを手本にして滑り、後から自分の悪い点を聞いて教えてもらうことの繰り返しでしたが、豊富な滑走日数と、たまたま親しくなったスキー指導員から個人的に教わる機会に恵まれたおかげで、かろうじて私も１級を取得することができました。

　今回のバッジテストで１級に合格された聴覚障がいの方もおっしゃっていましたが、スキーは、きちんと指導してもらわなければ、いくら自分でがむしゃらに滑っても上達しないスポーツだと思います。さらに、私たち聴覚障がい者にとっては、その情報を正しく伝えてくれる人（通訳）も必要なため、かなりハードルの高いスポーツと言えます。

左から山本さん、津末さん、 山田講師、竹田さん

前列左から　山本さん、竹田さん、山中さん

　今回のスキー教室に参加してみて驚いたのは、すべての障がいを持つ人たちにサポートが付いていたことです。今まで聴こえる人のペースに合わせてスキーを学んできた私もここでは一転して、聴こえない人のペースに合わせてスキーを学べることになりました。しかも、講師もまた聴覚障がいを持つ方でした。

　講習は、ポイントを押さえた簡潔な説明でわかりやすく、言葉よりもイメージを大切にされている様子が伺えました。特に聴覚障がい者の場合、言葉で一度にたくさんの情報を伝えられると、混乱してしまいがちなので、その点を配慮されているように見受けました。

　また、生徒が滑った後は、１人ずつ時間をかけて丁寧にアドバイスをされていました。手話を交えた講習ということもあり、通常の２時間講習を４時間かけて取り組んでいただいたと思います。

　私にとっては、講師の説明がダイレクトに伝わることも勿論嬉しかったのですが、他の受講者がどんなアドバイスを受けているのかを同時に知り、自分の後から降りてくる他人の滑りを観察することができたというのは、全く初めての経験でした。

　健聴者と一緒に滑っているときは、講師の説明がきちんと理解できなかったり、自分だけが違うことをしているのではないか？という不安やストレスが常につきまとっていましたが、今回はこういった心配は全く無縁でした。もし、あったとすれば、自分のカービングスキーに対する知識がなく勉強不足だったということくらいでしょうか。

　そして、最後の検定でも、スタート係や前走の方たちが終始和やかな雰囲気作りに努めてくださり、楽しくリラックスして滑ることができました。

　このようなイベントを継続して実施していくのは大変なことだと思われますが、私たちにとっては同じような障がいを持つ人たちが頑張っている姿を見ることは大きな励みになりますので、是非ともこれからも続けていただきたいと思います。

　また、関西方面では、なかなかこのような機会がないため、同じ障がいを持つ友人たちにも参加を呼びかけ、スキーをとうにあきらめている人たちにもチャンスを与えることができればと思います。

　欲を言わせていただけるなら、今後はスキー講習のみで終わるのではなく、参加者が同じ宿に泊まることにより、参加者同士の交流を深め情報交換等ができれば、さらによい経験になるものと思います。　

お昼の休憩時間も慌しく、スタッフや参加者の皆さんとあまりゆっくりお話できなかったことが大変心残りでしたが、今後に期待したいと思います。

　最後になりましたが、参加のお世話に奔走してくださった八木さん、講師の山田さん、スタッフの杉山さん、前走の荒張さん、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

兵庫からご参加下さった山本さん

左から津末さんと竹田さん

　【竹田健一さん】

• 手話で指導して頂けるチャンスはなかなかなく、自分の欠点を分かり易く知ることができ、良い勉強になりました。
• いつもながら人数(３人)、講習費とも非常に良心的と感じました。
• 今回の４時間という時間はあっという間に過ぎてしまい、やや物足りなく感じました
• 今回残念ながら１級不合格でしたが、もう少し詳しい講評が聞きたかったです。
  (不合格の理由や欠点の修正方法など)
• 障がい者対応している検定は貴重ですので、今後とも是非継続して欲しいです。ＰＲも大変だと思いますが、いろいろな障がい者団体と連携するなど頑張って欲しいと思います。

【西城雄一さん】

白馬五竜行事でも、お世話になりありがとうございました。今回も楽しく滑ることができました。毎回いろいろな先生が、白馬においでになり私の滑走指導をしていただきとても貴重な体験をさせていただいており感謝しております。１級を目指す、道のりは遠いですが早く修得できるよう頑張ります。

【美和子さん】 

今回は講習日に具合悪くなってしまい御迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

今後もスキーは続けたいと思いますので宜しくお願いいたします。

左から菅野さん、大澤委員、西城さん

セミナーにもご協力下さった西城さん