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五竜T行事 養成講習班
レポート 広報委員会 大井智子

伊藤班

吉岡班

◆2005年1月14日(金)〜16日(日) 五竜行事T
  (財)全日本スキー連盟主催 (財)神奈川県スキー連盟主管/主催 

◆養成講習班

 14日の午後は、各班を巡った。伊藤明子SAK専門委員が講師を務める正指受検1班では、「班の中で、プルークボーゲンについていろいろ討論があり、みんなの意見が聞けた。腰の位置が外側か内側に乗っていくのか。緩斜面ではどちらもできるキャパシティを持っていた方がいいということになった」(39歳、男性)。

 さらに、準指受検7班では、吉岡強SAK専門委員が基本の斜滑降を講習中で、「午前中は長い距離を滑った。斜滑降は腰が回らないように注意しながら滑った。ためになる」(27歳、男性)。佐々木生道SAK専門委員が講師を務める準指受検3班と、佐々木徳吉SAK専門委員が講師を務める準指受検6班も訪れた。3班でシュテムターンを滑っていたある受講生は、「1年たって忘れているところがあるので、思い出しつつ滑っている」(40歳、男性)と話してくれた。

指導員受験班

清水講師

◆「基本パーツ練習からの展開がわかりやすい」

 清水忠SAK専門委員が講師を務める正指受検2班では、「午前中はプルークターン、午後はシュテム、トップコントロールを練習した。肩と一緒に谷足を出すようアドバイスされた。忠さんは滑り込むタイプと思いがちだが、プルークターンの基本的パーツ練習から始まって、だんだん仕上げいくようなカリキュラムで、わかりやすい。最初は何の練習をしてるかわからないけど、だんだんわかってくる。基本的動作からのパーツ練習から展開していくやり方は、勉強になる。ほかの人を指導する時にも、自分で覚えるのにも参考になる」(38歳、男性)と、高い評価を聞かせてもらえた。

雰囲気はなごやか

村山班

◆「村山班にへばりつく」

 翌15日。いいもりゲレンデで、私とは準指受検同期で、昔からの友だちの村山政幸SAK専門委員の姿を発見。すかさず、その準指受検1班へと直行した。雪が降っているにもかかわらず、村山さんの話を熱心にメモに書きとめる受講生がいる。「基礎をみっちりやってもらっている。スキー場へは、いつも電車を使って往復するので、雪上で取ったメモを帰りの電車の中で復習している。普段はボイスレコーダーを使っているけど、容量が満杯になってしまったので」(48歳、男性)と教えてくれた。なんと、そのメモ帳は10冊ほどになっているという。すごい!

 村山さんのお人柄か、班員の雰囲気はなごやかで居心地いい。しばらく1班にへばりつくことにした。リフトに同乗した55歳の男性は、「準指受検は初めて。1級を取得して6年過ぎて、仲間と滑っているうちに『教えてほしい』と言われるようになった。教えてあげたくても、うまく教えてあげられない。幅広くスキーのことを知りたいと思い、受検した」と話してくれた。

頑張ってください!

真剣にメモを

◆「仲間にアドバイスしてあげたい」

 私が準指を受検した当時は、クラウン・テクニカル制度ができたばかり。「1級の上は準指!」と思い込み、準指受検した私とは、こころざしが全く違う。うぅっ。恥ずかしい……。おまけに、準指に受かって数年後に受検したテクニカルは、春の雪に苦しみ落っこった。あのころ、若かりし山田隆(現SAK副会長)さんがよく、「準指は、技術章ではなく、教えるための資格だ。そこを誤解しないように!」と、いろんな行事でお話ししていたっけ。

 リフトの上で、彼の話は続く。「でも、いまはブルーです。きのう仲間にビデオを撮ってもらい、宿で見たんですが。先生と同じ運動しているつもりだったけど違うと思って……」とおっしゃる。でも、ビデオを撮ってくれる仲間がいるのだからすばらしい。「クラブに教えてくれる人もいらっしゃるのでは」とたずねると、「若い人たちは忙しいからねぇ」と話し、さらに「でも仲間から『今シーズン、滑りが変わったよ』と言われまして。何年かかるかわからないけど、仲間と一緒に滑って、ワンポイントアドバイスしてあげられるようになりたいです」と、明るい顔で話してくれた。こんな気持ちを大事にしている人は、本当にいい先生になるんだろうなあと、思った。準指受験に面接試験があれば、きっとトップ合格だ。

村山さん62歳ですか?

たくさん食べましたか〜

◆「班員とお昼ごはん」

 自分のクラブ員とはぐれてしまい、一人さびしくとった昼食は、「レストハウスいいもり」2階のハンバーガー屋で5分で終了した。ちょっと疲れたなあ、と思っていると、さきほど別れた村山班が、遅い昼食を取るためにレストハウスにやってくるではないか。しめしめ。班員の人たちに混ざって、一緒にお茶を飲ませていただくことにした。

 長いテーブルにみんなで座ってから、「いやあ、村山さんとは、準指同期なんですよ〜」と話すと、前の人がきょとんとしている。「だって、村山さん、62歳なんですよね……」と言うので、「ええっ!」と私もびっくり。隣で村山さんは、ニコニコして「オレ、四重人格だからさあ。4つの年齢を持ってるんだ」と言うではないか。なんでも、担当する班の世代に合わせて、自分の年齢も変化させているらしい。恐るべしっ村山さんっつ。

メットの彼に再会

さぁ、午後の講習がスタート

◆「メットの彼に再会」

 ふと、前を見ると、笑みを浮かべたそのお顔にどこかで見覚えがある。横に置かれたヘルメットを見て、「あっ」と思い出した。広報委員として参加した、おととしの五竜行事Tで取材した、講習でヘルメットをかぶっていた人だ!懐かしさがこみ上げる。「お元気でしたか?」と話しかけ、「あっ。じゃあ、準指は落っこってしまわれたのですか」とたずねた。聞けば、おととしの準指受検では、大回りの種目で大転倒して板を曲げてしまったそうだ。ジャッジの木村徳善さんが、「歩いてでもいいから、降りてこい」と励ましてくれたらしい。

 曲げてしまった板は折れたけど、残りの検定種目はレンタルの板で臨んだ。「レンタルの板はアトミックでね。私の板よりよかったですよ」とニコニコ笑う。翌年は、「心技体とお金のレベルを高めるために」受検を休み、平常心で、今年の受検に臨むという。がんばってぐたさい。

◆「ドラゴンバレーも行きます!」

 女性の講習生は2人。「やっぱり班に女性がいるとやる気が出るよねー」とみんなが言う。男だけだと、やたらとガツガツ滑ってしまうらしい。私はいつも一緒に滑る男性たちとひたすらガツガツ滑ることが多い。彩りがないということなのか?

 私と一緒のアンダーウエアを着ていた女性に、さっそく感想を聞いた。「今日は、自分でもっと意識を持って滑らないとだめだなあ、と思った。準指受検は初めて。クラブの先輩にそろそろ受けてみたらと勧められた。たいへんだけど、勉強になった。合格しなくても、チャレンジするのが自分のためになるし、やる気も出る。北海道研修は一人で参加したけど、楽しかった。車山もドラゴンバレーも参加します」(56歳、女性)と前向きだ。

 その話を聞いていた隣の村山さんが、「アフタースキーも大事なんですよね。アフタースキーも含めてスキーです!」と強調する。「僕も、スキーやり始めてから、お酒が強くなりましたよぉ」と誰かが反応した。

 あとで聞いてわかったのだが、閉会式が終わってから、私の所属するスキー虫クラブの人たちが昼食後に滑っていた時、かつて神奈川県のデモンストレーターをしたこともある高橋秀さんが、ゲレンデで一人で滑っていたこの彼女を“ナンパ”して、一緒に何本か滑っていたらしい。後でみんなが「秀さんがスキー場でナンパした」と大騒ぎしていた。んーん。奇遇だ。

福岡班 不整地が好き?

すてきなツーショット!

◆「先生の目が『キラッ』と光った」

 昼食をすませ、この日、最後にたずねたのは村山さんと同じクラブで、昨日の晩、うちのクラブ員が泊まっている宿に遊びに来てくれた、福岡昭充SAK専門委員の準指受検4班。

 一人ずつ、じっくりていねいに教える様子から、福岡さんの誠実そうな人柄が感じられる。かつて福島という友人がいて、前はよく「福島さんっ」と間違えて呼んでしまっていたが、今回、3日間で間違えたのは1回だけだ。

 34歳の女性の受講生は、「種目は段階を追って教えてくれる。トップコントロールの練習もすごくていねい。不整地に行った時は、先生の目が『キラッ』と光った。とても楽しそうだった」と教えてくれた。福岡さん、不整地好きだったのか……。

福岡班 大サービス!

全員でナイスショット!

◆「気持ちがへこまなくなった」

 一緒にいた女性は、「1級取ってから4年ほどたち、目標がなくなり、受検することにした。いつもなら、うまく滑れないとへこんで落ち込んでいるのが、いまは意識が違う。次々に課題が出てくるので、気持ちがへこまなくなった。『やんなきゃ、やんなきゃ』と思う。『だめもとでもやる』と、周りに宣言してよかった。受検までの過程で、集中して、前向きに取り組むことができる」(36歳、女性)と、すてきな話を聞かせてくれた。

 班の中では、コミュニティーも図られているようだった。受検2回目という男性が、「去年は受検生で夏にみんなで集まって、お疲れさま会をやった」と用紙を希望者に回していた。準指受検の時は、友達をつくろうという意識は全くなかったが、後から考えると、一生付き合える友達も準指受検で出会っている。スキーを通して知り合った人が、「スキーは性別も、年齢も、環境も関係なく、友達になれるからいいよね」と話していた言葉が、心に残り、それがいまもスキーを続ける一番の理由になっている。みんなにも、受検を通していろいろなことを経験してもらえたらと思う。その日は、各班で補講が実施された。とっぷり日の暮れたゲレンデで、リフト終了ギリギリまで講習を行った班も多かった。みなさん、お疲れ様でした。


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