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五竜T行事 スキーパトロール養成講習会
レポート 広報委員会 大井智子

アキアボートをターンさせていく

パトロール養成中

◆2005年1月14日(金)〜16日(日) 五竜行事T
  (財)全日本スキー連盟主催 (財)神奈川県スキー連盟主管/主催 

◆スキーパトロール養成講習会

 理論研修が終わってから、仕事先の東京の出版社に連絡すると、私の書いた原稿にちょっとしたトラブルが発生していた。青くなりながら本部宿「ウルル」に戻ってなんとか作業を済ませ、ゲレンデ沿道の店でカレーうどんを食べてから、13時30分にとおみゲレンデに戻った。

 ゴンドラ乗り場に、山田隆SAJ広報委員長と越前谷芳隆SAK常務の姿が見える。後を追って、ゴンドラのアルプス平駅に到着すると、あたりは曇り始めていた。そのまま2人の後ろ姿を追いながら、スキーパトロール養成講習会が行われているダイナミックコースへ向かった。

 参加しているスキーパトロール受検生は女性2人、男性1人。それに対して、合計19人の役員や有資格者が彼らのサポートのために講習会に参加しているという。ゼッケン1番、身長148cmという小柄な女性が、戸嶋洋治SAJパトロール技術員に「まっすぐーっ。ボードをまっすぐ下に落とすっ。ずらしながら切りかえるっ。もう1回。よーし、とめ!!」などとゲキを飛ばされながら、人が乗り込んだ大きくて重そうなアキヤボードを、右や左へとターンさせて行く。

アキアボートと必死に格闘

ケガ人を助けたい

◆ケガ人を助けられないと恥ずかしい

 下に到着してから、彼女と一緒のリフトに乗りこんで、「どうしてパトロールを受検するのか」を教えてもらった。

 「アキヤを引いたのは2回目。去年、見学していたときに、1回引いた。体が小さいのでなかなか体力が追いつかない。受検しようと思ったのは、自分は1級を持っていて、ケガ人が発生した時に助けられないと恥ずかしいと思ったから。知り合いにパトロールの資格を持っている人がいて、準指、正指だけでなく、そういう道もあると思った。全く知らなかった世界で、技術一辺倒よりも安全にボードを引くなど、スキーとは視点が違っておもしろい。今日は自分がボードに引っ張られて、助けるどころじゃないけれど……。受検生3人のために、19人もサポートに来てくれて3日間フォローしてくれている。リフトの端にポール張って、アキヤボードに専念できるバーンも用意されている」。

 そのポールでは、3人の受検生がアキヤボードと必死に格闘していた。突然、、「乗るかあぁぁぁぁーーーっ」とポールの向こうから声がかかる。声の主は、戸嶋さんだ。2年前、五竜行事Tの取材で、このゲレンデで、戸嶋さんに勧められてアキヤボードを引いた、あの日のことがよみがえった。楽しかったけど、たいへんだった。「い、いいえ……。きょうはやめとこうかと思います」と返事をして、コソコソその場を立ち去り、越前谷SAK常務とともに下のゲレンデに向かうこととした。

雪にまみれた直後の越前谷さん…

越前谷さんと一緒に下へ

◆雪にまみれた越前谷さん

 当然、迂回コースを滑るものと思っていた。だが、しかし、私とは正指導員受検同期の越前谷さんは、こぶだらけのチャンピオンエキスパートコースへとずんずん向かって行くではないか。「えーーーーっ。そっち行くんですかあ」という制止も彼の耳に届かないらしい。バーンには、ふかふかの雪がそれなりのこぶを形成してどこまでも並んでいる。コースの先には、転んで雪まみれになった男性が一人いるのみ。ええい、ままよ。と、越前谷さんは右側を、私は左側をずんずん滑り降りて行った。

 講習で滑られた方も、そう実感されただろうか……。なにしろ滑っても、滑っても終点に着かない。最近は、「体に悪いから」とこぶ斜面は極力避けていたので、体もうまく動かない。雪はふかふかで、板のトップが刺さりそうでこわい。

 ふと、右側を見ると、なんと越前谷さんがごろんとコケているではないか。し、しまったっ。カメラのタイミングが一瞬遅かった。何事もなかったかのように、再び立ちあがった越前谷さんの姿を、一応カメラに納めて、「まだかなあ〜」と叫びながら、えんえんと続くこぶ斜面を我々は下に向かって滑り続けていった。


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