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車山X行事 障害を持つ方のためのスキー教室
ハンディキャップ委員会 中谷知之

 3月26日(土)晴れ神奈川県連車山行事Xが開催された。この行事は「指導員研修会」「公認検定員クリニック」「BC級公認検定員検定会」とHC委員会担当の「障害を持つ方のためのスキー教室・平成17年度第二回目」が同時に行われるものである。

◆8:30スカイプラザ2Fで受付が開始される。

 参加者は現地集合なので、果たして申し込み人数全員が現れるか、蓋を開けてみなければわからない…一抹の不安がいつもよぎる。ところが受付が始まると、なじみの顔や新顔が続々と集い、作年より10名以上も多く、受付の水附委員や八木委員はてんてこまいで嬉しい悲鳴。


国島チェアスキー講師と深野講師

左から水附・渡邉・野村・八木委員

◆9;00「車山行事X」の開会式

 野地県連副会長、山田県連副会長、三塚県連常務理事、挨拶。
  それぞれスキー界の状況の厳しさと共に、HCスキーへの理解を呼びかけていただけた。


手話通訳中の町田委員

開会式挨拶中の中谷委員

◆9;00「車山行事X」の開会式

◆9:30 ゲレンデに

(HCスキー教室)の参加者34人は1級受験から3,4級受験班まで12班に分かれそれぞれのゲレンデに散っていった。この日は昨年と同様に東松山市民スキー、小田原市民スキー、その他のスキー教室と一緒になりゲレンデは色とりどりのビブを付けた生徒でにぎわった。

 ゲレンデ状態は前日前々日の降雪が30センチにもなり気温も比較的低いので、このシーズンとしては最高のコンディションとなった。


車椅子からチェアスキーへの乗り換え準備

丸山講師と渡邉委員

◆9;00「車山行事X」の開会式

◆10:30 チェアスキー

ヴィーナスコースの下段でチェアスキー1,2級受験班が講習を受けている。講師の藤原車山高原スキー場校長の説明を後ろから聞いていると「フォールラインへの身体の向きによる小回りと大回りの違い」「板と身体のクロスオーバー」「回転弧のチェック」など一般のスキーとなんら変わらない基本のところからの指示を出しているのに驚いた。今日は圧雪されていない雪の深いところがあり、1本板のチェアスキーは引っかかりやすいので苦労しているようだった。特に姿勢がかぶりすぎると雪面からのショックがもろに身体が受ける事になり安定を乱す原因にもなっているようだった。


栗原さんと丸山講師

長田さんと深野講師

スポーツマンコースの上で

ここはかなりの急斜面です

◆1:00 コミュニケーションは手話とボディアクション

同じくヴィーナスコースで聴覚障害の班を渡辺儀一HC委員が講習を行っている。コミュニケーションは主に手話とボディーアクション。腰の位置から肩のラインまで良い例と悪い例をオーバーに身体で表現してみせている。普通、受講者が運動する中から勝手に自分でポイントを見つけて理解していく事が多い。渡辺講師は、丁寧にしつこく、身体の軸や重心の位置を身体を動かしながら視覚的に説明している。さらに板の代わりにストックを掲げて使用し、板のたわみの力点や動きをわかりやすく説明している。こういう取り組み方は、一般的にも理解しやすく役に立つ方法ではないかと思える。


町田委員と打ち合わせ中の渡辺委員

ストックを使って指導中の渡辺委員

渡辺委員の班の講習生森田さん

渡辺委員の班の講習生森さん

◆12:30〜1:30昼食

 アウトリガースキーで参加の西城雄一さんに感想を聞いてみる。これまで3回この教室に参加してきて、前回は2級を取得する事が出来た。「この教室は大勢の講師に教えてもらえるので密度の濃い内容である」「この教室で教えてもらった先生にその後連絡を取り機会があると講習を受けている」「さらに上を目指すために仲間がもっと欲しい」といろいろと話しをしてくれた。

◆13:30午後の講習

 午前中ファミリーコースで講習をしていた3・4級受験班が忽然とゲレンデから姿を消した!!さんざん探し回ってみると何と!ヴィーナスゲレンデでやっと皆を発見。その訳は朝、委員の方から「明日の級別検定はヴィーナスゲレンデの下段で行います」と案内したためだった。1・2級を対象に言ったつもりではあったが3・4級受験班も当然自分たちも同じと受け取ってやおら練習に出向いたのである。彼らの熱意に脱帽!

 生徒の一人は「急な斜面を滑ってくるので恐かった!」と訴えた。指示はキメ細かく伝えないといけないと反省しきりである。   ごめんね。


外足荷重について説明する渡辺康子講師

恐々ながらも一生懸命頑張る碇さん

カメラを前におすましポーズ!
晴海ちゃんと渡辺康子講師

初参加 中森母子

◆14:00 トレイン姿は影をひそめ

  知的障害班はこれまで初心者クラスが多く大勢でトレインで滑ったりスキー操作に慣れてもらい、楽しんでもらうことを第一に取り組んできたが、だんだんと3級所持者も増えてきた今年は、トレインの姿はすっかり影をひそめ、各先生の指示に従ってきちっとした制動の練習や、先行動作の理解など技術面でのやり取りをしている姿が見られるようになった。


川口ファミリーと加藤ボランティア講師

平川さん、道端さんと 坂田ボランティア講師
斉藤さん、大野さんと 中川ボランティア講師

石崎さんと 茶谷ボランティア講師

河辺さんと町田委員 後ろは???

初参加 井澤さんと大川ボランティア講師

◆15:30 講習終了

 明日の級別検定の不安と期待とを胸に講習は終了。


3班合体してのトレイン 先頭は長沼ボランティア講師

楽しかったね!

◆16:00 ミーティング

 ボランティア講師の皆さんと委員とでの、ミーティング。主に明日の 

 級別テストについての打ち合わせ。途中、車山高原スキースクールの藤原校長もご参加下さり、熱心な打ち合わせが行われました。


講習終了後スカイプラザでミーティング

藤原校長のお話を聞く委員たち 向かって右が藤原校長、その隣が沖川委員代表

◆20:00 宿でも委員ミーティング

 宿にて委員ミーティング。皆、それぞれ熱くそして楽しく意見を交換しあうミーティングが行われました。


ご覧の通り、アルコールは一切なし

皆、本当に一生懸命です

◆21:00 密着取材

 宿にてチェアースキー初参加の大塚昭博さん、宮ノ原正功さんに密着取材。下肢障害でチェアースキーをやるようになり、昨年から本格的に滑り込みがはじまり、年に4、5回はゲレンデに出かけているとの事。「これだけ本格的にスキーを教えてもらえる教室はない。特に講師のポイントを押さえたコメントが素晴らしい」というお褒めの言葉を頂いた。もっと誉めてもらおうと下心で水を向けると「行事に関しての連絡が遅い!!」とキツい言葉で切り替えされてしまった。

「ボランティアの人はチェアーのことを知らなくても、普通に自分で滑っているように話してもらっても、まったく違和感はない」「宿が一緒だと先生との交流がこうしてはかれるので勉強になる」「ぜひともお願いしたいのは、われわれは自分のビデオを見る事が少ないので、教室の中でビデオによるチェックを取り入れて欲しい」等々の意見を頂いた。今後の参考にしたいものだ。

3月27日(日)快晴

◆8:30 いよいよ検定当日

 スカイプラザ時計塔前に集合。今日はいよいよ級別検定。受験者は

1級・4名 主任件定員 渡辺儀一・藤原進・国島みどり
サポート野村委員
2級・5名
3級・8名
4級・3名 主任件定員坂田元政・長沼美生・高橋智明
サポート町田委員
5級・1名

 それぞれ検定のゲレンデへと向かう。

◆9:00〜10:30級別検定

 この時期の車山は不整地が少なくヴィーナスコースの下段ということもあり、比較的リラックスした受検風景であった。が、反面評価基準の厳しい検定となり、上級受検班では年に1,2度しか滑れない受験者は、大回り、中回り、小回りに求められる課題をなかなか表現できず四苦八苦する姿も見られた。

◆11:00 神奈川県連車山行事X閉会式

 「障害を持つ方のためのスキー教室」としては沖川委員から「今シーズン最高ともいえる雪質の中で、受験者は講習で教えられた課題をこなそうと努力された」と検定の講評に引きつづき

         1級 − 木ノ本卓也、森和代         

         2級 − 渡辺孝

         3級 − 大塚昭博、矢後聡、山崎泰雄、石井英明、

              宮ノ原正功、碇章浩、中森恵美子、中森晴美

         4級 − 長田龍司、栗原勇二、久保田康平

         5級 − 井澤有羽子


1級合格者 木ノ本さんと森さん

2級合格者 渡辺さん

3級合格者 チェアスキーヤー左から矢後さん、石井さん、宮ノ原さん、山崎さん、大塚さん

3級合格者 左から碇さん、中森親子

4級合格者 左から栗原さん、長田さん、久保田さん

5級合格者 井澤さん

 以上の方々が見事に合格され、野地副会長、山田副会長よりそれぞれ認定書とバッチが手渡された。          

 行事後、全員でのスナップ写真は、暑すぎるほどの春の陽射しの中でどの顔も喜びに輝いて見えた。


閉会式中。チェアスキーヤー大勢

全員で、ハイ、チーズ!!

◆行事を支えていただいたボランティアの方々(敬称略)

藤原進、国島みどり、松井伸子、加藤圭一、坂田元政、長沼美生、高橋智明、大川広樹、丸山賀子、渡辺康子、深野栄子、田中裕介、中川紀子、茶谷雅夫、丸山靖、土井かおる、杉山京子

参加委員 責任者 沖川。中谷、水附、渡邉、渡辺、野村、八木、町田


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