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平成14年度 指導員養成講習会理論1
平成13年11月3日(日)神奈川県民センター

◆吉野専門委員  

◆スキーのためのフィットネスの考え方
 アメリカでは、大リーグワールドシリーズ戦の真っ只中です。今日朝刊を見ているとメジャーでのベテランの活躍を報じていました。ワールドシリーズ常連のヤンキースのクレメンスは、今シーズン20勝しましたがなんと39才です。また、創設4年目で王座に望むダイヤモンドバックスの三振王ジョンソンは、38才で今シーズン21勝しています。
 また、日本でもプロ野球のOB戦にて、51才の村田兆治投手が球速137km/hと現役選手並みの記録を出したといいます。
 なぜ、ベテランが衰えなくなったのでしょうか?年齢とともに落ちていく筋力をどうやってカバーしていくのでしょうか?
 どうやら答えは、フィットネス運動(筋力トレーニング等)を積極的かつ柔軟に取り入れているからのようです。
皆さんもトレーニングしだいで年齢を感じさせない滑りも可能になります。また、指導者としても安全にかつ効果的なフィットネスを理解することが不可欠だと思われます。

今回は、時間も限られているので、フィットネスの一般的原則と筋力トレーニング(アイソメトリックス、アイソトニックス)について重点的にお話します。

◆フィットネスの一般的原則
 フィットネスを実施する際は、次の一般的原則を考慮する必要があります。
・ 個人の健康状態、体力レベル、スキーの指向に応じて実施する。
・ 局所的運動よりも大筋を使った全身運動が望ましい。
・ 運動負荷は日常生活の運動を少し強める程度とし、体の慣れにしたがって徐々に負荷を強くする。
・ 日常生活内で継続して行うことができる頻度や期間にする。
以上のほかにも目的や意義をしっかり把握して栄養や休養も十分摂ることが大切です。

◆筋力トレーニング
 筋力トレーニングには、筋収縮の状態によってアイソメトリックス(静的トレーニング)と、アイソトニックス(動的トレーニング)に分類できます。
 それぞれのトレーニングを効果的に行うために次の条件を考慮してください。
アイソメトリックス
・ 力を出す強さは、ほぼ全力で6秒から10秒くらい持続させます。その際呼吸を止めないようにしてください。
・ アイソメトリックスの筋力増強効果は、トレーニングした関節角度の前後20秒の範囲内とされています。そのため関節が比較的伸びた状態、しっかり曲げた状態、その中間ぐらいの状態の3段階で行うと効果的です。
・ スキー特有のフォームと関連付けて実施すると効果的です。
・ トレーニングの頻度は、毎日か1日おきに実施するようにしましょう。
アイソトニックス
・ トレーニング効果を上げるためには、普段出している力よりも強い筋力を出す必要があります。(オーバーロードの原則)
・ トレーニング効果を望むのであれば、週に3回の実施を目安として、最低限週1回実施することが必要です。
・ スキーでのフォームの動きの速さ、リズム等を考えて実施することで専門的筋力トレーニングとしての効果が期待できます。
・ 安全への充分な配慮とオーバートレーニングにならないようトレーニングの量を管理する必要があります。

その他ストレッチ等詳しい内容については、指導理論編で確認してください。


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