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平成14年度 指導員養成講習会理論1
平成13年11月3日(日)神奈川県民センター
理論講習会プログラム
  講習会レポート 中里広報委員
    開   会 長久保専門委員
  副会長挨拶 古郡副会長
  常務挨拶 片総務本部部長
  受験に対する心構えとSAJ・SAKの現状 三塚教育本部部長
  スキーの歴史 竹腰専門委員
  スキースポーツの社会的特性 佐々木専門委員
  専務挨拶 山田専務理事
  北海道ツアープロジェクトプレゼンテーション 井田、遠藤、成沢委員
  スキーのためのフィットネス 吉野専門委員
  スキー指導方法論 1 佐藤博一専門委員
  スキー指導方法論 2 岡本専門委員
  検定までの各行事日程説明と諸手続きについて 山本教育本部理事
    ※掲載されている内容、文言、色彩などは、検定問題とは一切関連はありません

◆古郡副会長挨拶

 本日は指導者養成講習会ということで、シーズントップを飾る行事です。指導者については神奈川県には2000名を超えておりますが、まだまだ養成していかなければいけないと認識しております。皆さんが通常行っているスキー技術を発揮すれば容易に合格しますので、1人でも多くの方に合格していただきたいと折っております。

 

◆片総務本部長

 いくつか教育本部長と違った角度で話をしたいと思います。資料をお配りしましたが、過去10年間の級別テスト、準指の合格率の推移です。これを見て対策を考えなければいけません。検定と言うのは合格か不合格しかありません。中間のグレーは存在しません。

★準指が合格するための条件

・スキーが上手くなければ合格しません。
甘い気持ちで取り組まれると非常に困ります。最近では指導員の技術力の低下も目立ってきております。一所懸命勉強することと、一所懸命滑るということが大切です。検定会ですから、種目への理解を高めることをしていただきたい。指導種目と実践種目を分けているのはなぜか、指導の種目は何を意味するのか理解するということがスキー技術が上手くなると言うことです。

 

・理論と実技のバランス
 理論と実技のバランスが良いということが条件です。滑りが上手いから良いということでもありません。都会のサンデースキーヤは得てして理論だけが先行することがありますが、気をつけなければいけません。

・指導者としての社会的役割
 これは面倒かもしれませんがあるのです。県連の所属団体は各クラブで、加盟団体は各協会ですが、そこで活動が出来ると言うことが前提条件となります。

スキー技術の向上のために弛まぬ努力をする人が合格の早道だと思います。

・指導員の任務と義務
 皆さんのクラブの指導員で研修会に2年に1回出席すればよいと思っている人がいたら、大間違いです。指導員の任務と義務でも毎年研修会に参加しなければいけません。研修会に2回連続して参加できないときは資格の停止ということになります。必ず出題されるところだと思いますので、よく理解をしてください。

・北海道スキーツアー  長い検定期間でコンディション作りに有利
 準指・正指を受ける方のために、1回で6日の実技単位が取れるSコースを設定しました。非常にめぐまれた素晴らしい行事があると思いますので、それをフルに活用していただきたいと思います。11月の理論講習から3月の検定まで長期にわたります。その間のコンディション作りなど大変ですが、北海道を利用すれば有利かと思います。

・技術力
 すでにカービングスキーが100%という状況かと思いますが、ずらすスキーが問題になってきます。この研究もお願いしたい。ヨーロッパでは青少年にはカービングの板を履かせない、それは下肢に傷害を与えるということです。競技スキー(FIS)でもカービングのRやその他に対する規制が入ってきています。SAKでも2003年にはその規制に基づいて実施を行います。

是非、みなさん頑張っていただきたいと思います。準指の方は75点を、正指の方は80点を目指してください。それから正指検定の方は是非理論の勉強をしっかりお願いします。神奈川県スキー連盟の指導員数は3000名弱でありますが、その半分は活動をしていませんので、神奈川県700万人に対してまだまだ指導者が不足しているのが現状です。皆さんに期待するところは沢山あります。是非、頑張ってください。


◆三塚教育本部長

 この講習会が始まりますと、シーズンが始まったなと実感しております。今年の受検人数が大幅に減りはしないかと心配をしていましたが、この会場を埋めていただきありがとうございます。大変感謝しております。お見受けしますと、お年を召した方、二十歳になったばかりの方、それから今回は聴覚障害の方も受検されていらっしゃいます。これからシーズン滑るわけですが、楽しさはどこにあるのか、それは目的があることだと思います。少しでも自分の納得出来たことがうれしい、達成感だと思います。

 スキーほど奥の深いスポーツはないと思います。自然が相手であることで、条件も色々変わってきます。ですから、その条件を克服していかなければいけない。また強靭な体力だけではだめで、しなやかさが必要になります。精神的には緻密な感覚も大切です。こういう社会状況で、暗いことが多くあります。スキーはお金のかかるスポーツです。ですから、シーズンが始まる前に、お金のかからない体力をしっかりと作っていただきたい。最終的には目的を達成する手段は技術しかありません。ですから技術を磨いていただきたいと思います。ぜひ、75点を取っていただきたい。

◆山田専務理事

 検定についてですが、簡単に言えば上手い人が合格して、下手な人が落ちるということです。正指を受ける方は、会場が5箇所ありますので、会場の特徴をよく理解して選んでください。神奈川県スキー連盟からは渡辺三郎SAJ専門委員が、第3会場の主任検定員で参加しますが、みなさんの合否については、なんの関係もありません。

 

・採点の仕方について
 ただし、採点の仕方について皆さんにお教えしておいてもよろしいかと思います。2年から3年前にポイント制となり、準指が75、正指が80という点数となりました。今年、ここ数年間の集計をしましたところ、システムを変えてもやはり、前後1点刻みで1〜2点という点数のつけ方になっています。これは県連も同じで、上手ければ80点もつけますよと言っておきながら、せいぜい2〜3点という、そういう傾向が見受けられます。ですから、良い滑りをしても大きな点がつきませんが、失敗しても大きなマイナスはないということになります。

・合格するには実力が伴わなければならない
 準指の検定につきましては、日本で一番と自慢しても良いほど厳正に行われております。その代わり、年齢や受検回数についてはそれなりの考慮も必要かと考えております。結局、合格するには実力が伴わなければいけません。毎年、プルークボーゲンの膝の曲げ方がどうのこうの、シュテムターンの開きだしがどうのこうの、それで落ちたと言う方がいらしゃいますが、それは違うのです。下手だから落ちたのです。特に、シュテムやプルークは点をつける検定員もナーバスになっておりますから、点の波が小さくなる傾向があります。74〜76の狭い幅に集中し、そのジャッジペーパーを見て怒るわけですが、どうしてもそういう傾向となります。むしろ点が開くのは実践種目の方で急斜面とかこぶ斜面などの方が大きな点数差になります。それから1回程度転んでも致命的にはなりません、転んでも落ちなくても下手だから落ちるということです。スポーツですから膝の動きがどうのこうのと滑っても面白くありません、思い切って滑っていただきたいと思います。当然ですが、こういう先生では生徒はついてきません。生徒が楽しくないスキーを行う先生は、神奈川県スキー連盟では不必要です。

・スキー技術の上手さとは
 もう30年近く前の話ですが、チャンスがあってフランスの国家検定の資格を取る為に、シャモニーのスキー学校に居りました。そのときは、外国人ばかりの班で、カナダ、ドイツ、イタリアなどの人たちとレッスンを受けていました。班の中で最優秀賞を取るとメダルをくれるので、メダルが欲しくて頑張りました。だが、カナダからはカナダのトップデモンストレーターが来ていて、その人には敵わないとあきらめたのですが、。ドイツからもデモンストレーターが来ていて、わたしも全日本のデモンストレータだったので、絶対にドイツには負けないぞと、目標を銀メダルにして頑張りました。このドイツのデモはなかなか上手いのですが、外向傾がきつくて先生から、度々注意されていました。丁度フランスですからローテーションであり、私はどちらかと言うとローテーション系で、滑る度に誉められておりましたので、勝てると思ったわけです。毎日のように点数がつけられ発表されるのですが、どういう訳かいつも3番目なのです。あっという間に50日が過ぎて、ある時意を決して先生に、どうして3番なのだと質問したら、非常に簡単な答えが返ってきました。彼のほうがスキーが上手いからだと。

・普段の滑りが必ず跳ね返ってくる
 みなさんも同じです。プルークは膝の曲がり、シュテムは足の開きなどと言っている以前に、普段の滑りが必ず跳ね返ってくるのです。4回転滑っては止まり、ああだこうだと、つまらない練習ではなく、急斜面で切れるスキーが出来る人が上手であり、点数もつくということです。そういうことを忘れないで練習をしてください。


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