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パリ (ロアール地方のお城めぐり)河田洋子

paris chambord

  ロワールの古城を訪ねて

 ロワールがフランスの第一の大河である事など、到底知らないのである。フランスの河(川)と言うと、日本人の私にはパリのセーヌ川しか思い出せない。

 フランスの中央山塊に源を発したロワールは、パリの南南西120kmあたりで、大きくカーブを描いて、それまで北上を続けた川筋を、西に向け直し、西下して大西洋に注ぐ。

 全長1000km余りでフランス最長の河である。信濃川のざっと3倍の長さと言うことになる。この河ロワールの中流の町ジアンやサンセールあたりから、下流のアンジュー地方まで400kmほどをロワール地方と言う。この地は、パリに比し、温和な気候に恵まれ、四季折々の花々や果物、野菜などの産物が豊かで、ロワール河の織り成す景観が、ここに何百と言う城が点在した理由の一つになっている様だ。

 1月18日、朝食後8:30頃からの出発だったと思う。
 最初に目指した所は、ロワール最大の城 シャンポールである。樫、赤松、白樺などが生い茂った森を進むと、白亜の城館が現れた。5500haの広大な敷地に、部屋数440と言う巨大な建物は、ルネッサンス時代の華麗さで、私たちを圧倒させた。この広大な森の中、フランソワ1世はどんな動物を追いかけ狩りを楽しんでいたのだろうか。
 それから、1時間位走っただろうか。シュヴェルニー城に着いた。しかし丁度昼休みの時間に掛ってしまい、残念ながら中に入る事が出来なかった。真冬の時期は客が少ないからと言う事である。なるほど、私たち以外人がいない。それでもしっかりと記念写真を撮ってきた。
 そして、西へ西へと車を飛ばし、(余りにもスピードを出されるので私は空に飛んで行ってしまうのかと思いましたよ。)次にたどり着いたのは、シュノンソーである。フランスへ着く前に、広報の上田さんより、前回行った時のレポートを見せて頂いていたので、尚一層楽しみにしていた所である。時折雨が降ってきて、傘を片手に、しっとりと濡れたプラタナスの並木道を抜けると、その先がシュノンソー城だった。 この城は、ロワールの支流 シェール川の河畔からの眺めがとりわけよい。
山田さん(専務理事)に連れられて、美しく刈り込められた庭園を抜けて行くと、白亜の城館が川面にうかび何とも言えぬ美しさであった。
 そして小さな町をいくつか通り過ぎ、アンポワーズ城。(途中とても可愛らしい家があり、特に窓辺にかかった真っ白いレースのカーテンが印象的だった。)
ロワール河に臨む小高い丘の上にあり、全景をカメラに収めるには、ずーと手前の橋の上からでないと無理な程、横に長い城である。

 夏の夜、ロワール各地の城で、その城にまつわる歴史劇が上演されるそうである。
実際に何百人もの人々が演ずる所もあれば、ただ音楽と照明を使った語りだけの城もあるらしい。フランス語は解らなくても、夜間照明の下、城を背景に、その当時の衣装を身にまとい、音楽に合わせダンスを興じる、そんな音と光の夕べを是非見てみ
たいと思う。
 


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