BCスキー講演:ニュースタイル委員会 大雲副委員長

皆さんこんにちは。そろそろ眠くなる時間だと思いますので気楽に過ごしてください。
私は準指・正指と持っていますが、元々はクライミングが専門です。先ほどご紹介ありましたが、スキー指導者の中にも色々な人がいるとの事でお話しさせて頂いております。
数年前からニュースタイル委員会として活動させて頂いております。スキーの楽しさ・魅力をお伝えしたいと思います。


ニュースタイル委員会 大雲副委員長

ニュースタイル委員会 大雲副委員長

1.バックカントリースキーの魅力
私の考えの中でバックカントリスキーはスキーの原点だと思っています。 皆さんいつも滑ってるスキー場はきれいに整備された人工的なものです。 それに対して降ったままの雪、地形のままの斜面、開放感、自分だけのシュプールなどがあります。

・自然のまま降った雪
粉雪・ざらめ雪・風・山の向きなど地形によって全然雪質が違います。皆さん車山のアイスバーンの経験があると思います。それも怖いですが、4月中旬頃の富士山のアイスバーンはとても怖いです。 まったく歯が立ちませんが自然と向き合うのは楽しいです。

・地形のままの斜面
先シーズンからBC講習会は志賀高原で行いました。専門委員も一緒に参加したのですが、あるクリップでコケちゃうんです。 整備されたコースではなく、自然のままの地形はすごく難しいです。 いかに予測しながら滑る楽しさをぜひ経験してほしいと思います。

・滑りたいだけ登る
実はバックカントリーは有酸素運動です。これも魅力のひとつです。

2.我々の考え方
・その一歩先の世界の景色
・次のステージ
・新しい分野への挑戦

3.スキー指導に通じる
大人になってからはなかなか味わえない「まったく初めてのことに挑戦する」ことができます。 ちょっとしたハードルと明確な目標を体験させることを活かしてほしい。 そのためには皆さんも次のステップへ進んでほしいと思います。 検定で種目を追うのも大事ですが、この世界にいると自然とシュテムターン等の技術をやっています。自然と身についているのです。

4.スキーマーケット
・スキー人口 1998年1,800万人 → 2012年770万人
・ゴルフ人口 2000年1,300万人 → 2012年800万人
どちらの人口も減少が著しい。
*「雪マジ19」キャンペーン
スキーは19歳までにやらなければ、それ以降一生やらない可能性が高いと言われているスポーツです。
そのような理由で19歳キャンペーンを行っています
なお、ゴルフは19歳でも30歳過ぎても、いつでも始められると言われています。

5.バックカントリーを始めるには
最近、ニセコ、かぐらではゲートシステムが設置されています。ロープをくぐり抜けて滑ってはいけません。そして、すべて自己責任です。 準備・知識・訓練などが必要(地域のルール、天気図、雪崩の知識等)です。

<バックカントリーの装備>
山での遭難のほとんどが道迷いです。また雪崩に巻き込まれることもあります。以下の3つはセルフレスキューとして装備をしておきましょう。
(1) プローブ (2) ビーコン (3) スコップ

<服装(レイヤリング)>
バックカントリーではスキーウエアではなく、レイヤリングと呼ばれる重ね着が基本です。
(1) ベースレイヤー:吸湿速乾・保温
(2) ミドルレイヤー:保温・通気
(3) アウターレイヤー:防水・防風・透湿
(4) ミッドレイヤー:温度調節(中間着)

<雪崩のメカニズム>
15分超えると生存率下がる。助け出すには15分のリミットがある。
(1) 発生しやすい条件
・斜面30度以上(一番多いのは37度)
・植生がまばら
・降雨、気温の上昇

(2) 前兆現象
・雪庇
・吹き溜まり
・クラック
・雪しわ
・スノーポール

(3) 雪崩を誘発する人的条件
・トラバース
・雪庇を崩落させる
・転倒、ラッセル等斜面に刺激を与える
・多人数で同一斜面に侵入

6.いざフィールドへ
バックカントリーは自然との一体化運動です。危険もありますが無限大の楽しさがあります。自然は一番です。 ファットスキーじゃなくても大丈夫です、道具は貸出しします。ぜひ参加してください!

<行事予定>
SAK
2019年2月 9日〜10日 五竜UBC入門講習会
2月23日〜24日 志賀高原BCツアー
藤沢スキー協会
2019年3月16日〜17日 志賀高原BCツアー


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