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スキー指導者研修会理論

2012年11月4日(土) 川崎市教育文化会館
広報委員 大井 智子 / 中里 健二


■総務本部報告
 北海道委員会からビデオ放映を交え、北海道行事の紹介が行われました。
またハンディキャップ委員会からは、昨年度の活動報告と今年度の予定について、説明が行われました。


北海道委員会

ハンディキャップ委員会

■特別講演/講師 澤田 敦

SAJデモの荒井拓磨選手と強化選手の田邉選手をアシスタントにして、普段の歩く動作から、スキーにどうつなげていくか実演を交えて講演が進められました。

<普段考えていること、どうスキーとつなげていくか>
 普通に意識しないで歩いた場合、足が出てかかとから着地して上体がその後をついていく感じになりますが、重心を移動させて歩く意識では、一歩出るときに上体も一歩出して腰の真下に足が来る感じにすると、上体が遅れないことになります。ちょうどスキーに乗り込んでいく姿勢につながることになります。体重のうち3分の1は上半身で、下半身が3分の2です。その上体を先に移動させるように歩いてみる、上下動もしないようにしてへそのあたりが引っ張られる感じで歩いてみて、足裏の着地点がどこになるかを感じてください。着地点はつま先の付け根あたりで、かかとではないはずです。腕は後ろに大きく振ると上体が前に出てくると思います。少し上体を前傾するとつま先と母指球のところで支えるような歩き方になると思います。

<重心移動が大事>
  スキーは出来るだけ踏み込まないで、筋肉を縮める程度の動きです。ターンは外足への荷重、板の回し込み、内側への移動の3つの要素です。パラレルからの早い上達方法もありますが、基本は八の字から少しずつ両足がそろって、外足から外足へ交互の動きで、スキーがズレながらターンし、体が内側へ移動していきます。
 高速系になると腰を回して、腰の動きが主体的になっていきます、スキーの上ではこのぐらいの可動範囲になると思います。
 歩く動きとの関連として、上半身を前に持っていくイメージで歩きます。手を前に出して、腰、上半身をその方向に持っていく感じで歩いてみます。信号待ちで一歩踏み出す時に上体から前に出していくイメージで足を出す、私はこんな感じでイメージして歩いています。こうすると背筋が伸びて姿勢が良くなります。上半身の重みをスキーに圧を加えるため、重力を横に逃さない、スキーのたわみを逃さない感覚、歩く時の重心移動と同じ感じです。

 <これまでのスキー人生>
  私は弘前市の西側にある、今は合併して弘前市になりましたが、人口4,000人ほどの中標津郡で生まれ育ちました。小学校から400mぐらいのところにあるゲレンデで、リフトはありませんから歩いて登って滑っていました。当時は直滑降でどこまで滑っていけるかを競っていました。高校は東奥義塾に入り、高校1年生の時富良野であった国体で2位になりました。2年生では3位、3年生のときには1位になって、デサントから声がかかり入ることになりました。
 その頃デサントはアメリカのナショナルチームもサポートしていて、そうした関係からアメリカに行ってメイヤー兄弟がいるアメリカチームと練習を一緒にすることができました。3年後のレークプラシッドオリンピックに照準を定めて練習しましたが、なかなか結果が出ませんでした。メイヤーとは1本で10秒以上差があり話になりませんでしたが、帰国の1カ月ぐらい前になってようやく差が少し縮まりました。その後オーストリアにいってワールドカップの選手がたくさん来ている中で練習してポイントが少し上がり、メイヤー選手に近づく感じがありました。
オーストリア、スイス、イタリアとスキー場を回りましたが、それらの国では日本と違ってワールドカップ選手が優遇されることが当たり前でした。ワールドカップ選手のためのコースセパレートや、バーン整備にみんな協力していました。普段の大会でも選手を応援していて環境が違っていると思いました。日本の関係者の皆さんには、将来こどもたちを育成していくために環境整備をお願いしたいと思います。
 1979年の全日本選手権大回転で優勝し、初めてオリンピックに出られる感じがしました。レークプラシッドオリンピック代表の発表で海和選手と児玉選手と共に代表に決まりましたが、私はヘッドコーチから補欠ということを聞いていたので、本当に出られるのかどうかわかりませんでした。本番では出場することができて、回転の1本目はゴールできましたがトップと5秒差ありました。海和選手、児玉選手が棄権する中、私は2本目もゴールすることが出来て15位となり結果を残すことができました。その後も技術選にも出場するなどいろんなことにチャレンジしてきましたが、スキー学校に関わることでジュニア選手のレベルの向上、青森県の競技力が向上したと思います。スキー学校ではたくさんの指導者が育ちましたし、お客さんの要望にもこたえられる急斜面やこぶ斜面も作るなどゲレンデの開発もできました。今はスキーから少し離れていますが60歳になったらまたスキーに戻りたいと思っています。


澤田 敦 さん

荒井拓磨デモをモデルに実演

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