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●特別講演 アスリートの戦略 〜勝つための7つの法則〜 元ショートトラックスピードスケート日本代表 勅使川原 郁恵 ◆3回出場したオリンピック 3歳からスケートを始めて、中学2年生で全日本選手権に総合優勝、世界ジュニア選手権でも優勝することができました。1998年大学生の時に長野オリンピックに出場し、2002年のソルトレークシティオリンピック、2006年のトリノオリンピックまで、3大会連続でオリンピックに出場しましたが、メダルまであと一歩届くことが出来ませんでした。最後のトリノオリンピックでは悔しさよりも、やり切った感じがしました。トレーニングから栄養管理まで、出来ることはすべてやりましたので、現役を引退することに悔いはありませんでした。それまで苦しさや楽しさのあった中で、スポーツの素晴らしさを感じていたので、たくさんの方にそれを伝えていきたいと思い、それが引退後の夢になりました。 ◆現在の活動 引退後はNHKの番組で中山道や甲州街道を完全踏破しました。また、トライアスロンや自転車、カヤックなど、いろいろなスポーツにも挑戦し、現在は、岐阜県の飛騨・美濃観光大使になっているほか、食育インストラクター、ヨガ、フードアナリスト、ノルディックウオーキングなど、健康をキーワードとした免許や資格を20種類持っています。ウオーキングなどのイベントに呼ばれた際に、参加者の皆さんから健康に関する質問が一番多く、そこで正しい知識をお伝えするためにこうした資格を取るようになりました。 ◆ショートトラックスケートとは 1周111.12mのトラックを周回して、先にゴールした者が勝ちという競技です。ショートトラックは1992年のアルベールビルオリンピックから正式種目になりました。 ◆勝つための7つの法則 法則1 夢や目標を文字にする 〜1年の目標を書く〜 毎年のお正月に目標を書いていました。夢や目標を文字にすることで、目標をもって頑張れると思います。私が中学2年で全日本選手権に総合優勝した時には、プレッシャーはありましたが、マイナー競技であるショートトラックを、有名にしたいと目標を定めることで頑張ることが出来ました。 ◆法則2 超えたい人や尊敬する人を見つける 〜自分を高める〜 私は3姉妹の末っ子で、3人揃って中学・小学校高学年・低学年の各クラスで優勝を独占することもありました。姉に憧れてもいましたが、負けん気も強かったため姉に勝つことが目標になりました。長野オリンピックではスピードスケートの清水宏保選手と出会い、小さいからだで活躍する姿に憧れるとともに、小さい体を活かした技術も学ぶことが出来ました。 ◆法則3 メンターを持つ 〜父の言葉は魔法の言葉〜 小さい時のコーチは父でしたが、全日本に優勝した後はほかの方に変わりました。中学生で優勝して、先輩たちからは妬みや無視されることもありましたが、父から言われた言葉で「きれいな花は踏まれたらおしまいだが、郁恵は雑草だ。雑草は踏まれても、踏まれても強い。」と言われたことで、私は雑草になろうと思い、乗り切ることができました。 ◆法則4 危機感に直面したときの対処法(1) 〜本当に終わりか?〜 トップ選手でいるかぎり、足を引っ張る人が必ずいます。大会で結果が出なかったときに、会場から「勅使川原は終わったな。」という声を聞いたとき、まだまだ終わっていないと自分に言い聞かせた、強い気持ちでいられることが大事です。 ◆法則4 危機感に直面したときの対処法(2) 〜本当に好きか?〜 大会で前に滑っていた選手が転んでスケートの刃が顔面を直撃したときには、母からやめなさいと言われましたが、本当にスケートが好きだったのでやめることはありませんでした。もしも指導している選手からやめたいと言われたら、今やっているものが本当に好きか聞いてみてください。 ◆法則5 「勝つ」ためのトップの言動 〜褒める〜 東京の柏原コーチに最後は付いたのですが、スタートダッシュが苦手な私に、階段ダッシュを朝から付き合ってやってくれました。コーチといっても仕事は別に持っていましたから、相当な負担であったと思いますが、ひとり一人の課題に取り組んでくれました。褒めるときにはみんなの前で、注意は一人ひとりにマンツーマンで言ってくれました。 ◆法則6 勝つための土台は健康 オリンピックマークの5色を考えて、食事はいろいろなものを食べるようにしました。 ◆法則7 誰のために勝利を目指すのか? 〜1番の原動力〜 私は家族やコーチ、かかわってくれた人すべての人のために勝利を目指しました。ショートトラックを広めたい気持ちも強くあって頑張ることが出来ました。 今はいろいろな方にスポーツを教えることが何よりも好きで、子供たちに夢を与え触れ合うことが大好きです。 |
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