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スキー指導者研修会理論
第2部 特別講演 講師:木村公宣

平成23年11月19日(土) 川崎教育文化会館
広報委員 中里健二


 
日本スキー界のトップを走り続け、引退後も様々なシーンで活躍中の木村公宣氏を迎え、「快適な落下運動と着地」「競技大会(検定)に向けての心得」の2テーマに沿って今回の講演は行われました。

■自分の身は自分で守る

 講演に先立ち、欧米での装着率が約80%とされているヘルメットの装着について、その有効性とともに、最近のヘルメットが快適かつお洒落になっているとの説明があり、安全対策としてはもちろん、積極的にゲレンデを滑るうえでも有効との話がありました。

■「快適な落下運動と着地」 ポジション作り
 まずスキーシーズンに向けて、ポジションづくりの話から始まりました。脛への圧を常にかけることが重要であり、上半身と脛の角度は変えないこと、高いポジションとは、雪面に対してではなく外足のビンディングからの距離があること、骨盤を立てる姿勢は股関節の可動域を広げるために必要なことである、などのお話がありました。

  自分と同じぐらいの体重の人をおんぶした際の姿勢が基本になるとの話から、舞台上に中村浩人理事が上り、木村さんがおんぶしたところ、「重いですね」とのつぶやきに会場内に笑いがおきました。社会人へのアドバイスとして、出っ尻にした状態で無理に背筋を伸ばすと、ぎっくり腰になるので、伸ばすのはほどほどにとの注意がありました。

■「快適な落下運動と着地」 落下運動
 プルークギルランデで谷足側のエッジを外すことによって、まず谷側への落下が始まる。さらに体の重心がスキーの上を谷側の前方に移動することにより、ターンが始まる。そうした一連の動きについて、ビデオの映像を何度も繰り返し見ながら解説されました。内足のエッジと上体の移動はあるが、外足は変えていない。また、スキーの上で体を動かす際には、お腹の位置がスキーの上を移動する感じにするとのことです





■「競技大会(検定)に向けての心得」
  リズム、ルーティン、コンディション 〜練習の時から同じことをする〜

   ふだんの練習の時から、スタート5人前になったら手袋のチャックを閉め、4人前になったらゴーグルをつけ、3人前になったらストックをつけ、2人前になったらバックルを締めるといった動作をルーティンにしていたとのことです。
  コンディションに関しては、ワールドカップの場合1週間が単位となっていて、前の試合が終わった日は全く何もせず、4日前、2日前、前日はかなりハードに筋肉を動かし、試合当日の朝は散歩程度に過ごし、スキー場ではハードに運動していたとのお話でした。
  ほかにも、ストックに目盛りをつけてストレートのポール間の距離を正確に測り、75センチなのか80センチなのかを確認したり、フィニッシュラインの位置を確認して、最後のポールから最短距離で行くにはどうすればよいか考えたとのことです。



■講演終了後の質疑応答

  Q:
現役当時からだいぶ変わられた印象を受けます。
ポールがないときには、どんなリズムやイメージで滑っていますか?
  A:
現役時代から比べて体重が10キロ増えてしまいました。
リズムといっても状況によりますので、もしも青空で誰もいない広いコースならば、コースの端から端まで使った大回りで滑るでしょう。 混んでくれば小回りを入れるかもしれないし、その時のマテリアルにもよるかもしれません。

  Q:
雪なし県でジュニアを育てる際に必要となるものは何でしょうか。
  A:
雪なしといってもゲレンデまでの時間は3、4時間ほどと、かなり便利になっていると思います。
1日60キロ、コースが3キロぐらいなので、ゴンドラ20本を目標に滑るわけです。
そうすることによって、普段履きなれていないスキー靴に慣れることがまず大事ではないでしょうか。
たとえコース長が短くても量を設定すれば効果はあると思います。




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