指導員養成講習会理論1 平成17年10月23日(日) かながわ労働プラザ 総務本部・広報委員 富川貴幸 |
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◆指導員養成講習会 理論1 開催される平成18年度の行事が始まりましたが、その行事の中でも1・2を争う大きな行事が準指導員検定会です。その始まりとも云われる指導員養成講習会が10月23日(日)かながわ労働プラザで開催されました。かく言う私も2年前はこの席で受講者でした。また来年度は受講者として出席しなければならない身ですが、本記事が本年度の受検者の皆様に少しでも役に立てれば良いと思いレポートします。 ◆副会長挨拶 古郡 敬一副会長昨今、スキー人口が少なくなって低迷していると言われているときに指導員の試験に熱心に挑戦されている姿に感謝しています。受検者は少なくなってきていますが、レベルは高くなっています。皆さんはスキーがうまいのですが、アピールの仕方が少し足りないと思います。 検定会の時には自分の持ち味を出すということが大切です。又、理論に関しても、おろそかにすることのないように自分のスキー技術に理論付けをするという考え方で勉強していただいてスキー技術の向上に役立ててください。神奈川県スキー連盟としてもスキー人口の減少をどうやって防いだらよいかということで、今年は特に普及振興委員会(ジュニア育成をターゲット)を立ち上げ活動を開始しています。是非、皆さんに指導者の資格をとって頂いて神奈川県のスキー発展のために協力して頂きたい。県連も皆さんの受検のためにできる限りの応援をしますので3月の検定会を目指してがんばって下さい。 ◆執行責任者挨拶 三塚常務理事去年よりは若干多いのではないかという情報で一安心しました。ここにいる全員の方が同じ目的でスタートするわけで、目的に向かって到達するというのは楽しいことではないかと思われます。目的を達成する為には手段(技術)があります。その技術を磨いてほしいと思います。技術を磨く為にはこれからやる事が沢山あります。これからスキーシーズンに向かってトレーニングをやっていただきたい。古郡副会長も言われているとおり、今スキー界は大変なことになっています。総務本部長を含めいろいろな手段で活性化を図っています。少子化等いろいろな問題を抱えて大変な時代ですが、それだからこそ受けに来ている皆さんに頑張っていただきたいと思います。受検者を始め皆様方からいろいろな意見も来ています。専門員も一生懸命勉強したり、検定委員会もしっかりとしたビジョンを持ってやっているので皆さんも迷わないで受検していただきたい。
◆『受検に対する心構え』(単位制導入についての説明) 渡辺教育本部長私はJR貨物の運転士をしているが人員が削減され休暇がとりにくくなっています。今日もこのあと出勤しなければならないため最後までお付き合いできなくて申し訳なく思っています。 ◆講習会、検定会を良い方向に持っていくようにしたい準指受検者は全国的レベルで減少傾向にあります。平成10年度には全国で4500人くらいでしたが年々減少し続けて去年は全国で2300人とほぼ半減しています。ちなみに本県は2年前までは200人をキープしていたが、一昨年が189人、昨年が156人となっています。また正指受検者も同様で平成11年度で1500人、去年の時点で1000人を切る状態となっています。本県からの正指受検者は50〜60人で推移しています。原因はいろいろなことが考えられますが、皆さんに検定にチャレンジして頂いて感謝しています。先シーズン終了してから、県連に一般会員や受検者の方々から厳しい意見が来ています。(講師の専門員のカリキュラムが統一されているのか、一部の講師で言っていることとやっていることが異なる、中高年者に対してどのように考えているのか等々)これらの意見には執行部を含めて検討を重ねてきています。できるだけ見える形で養成講習会や検定会を良い方向に持っていくようにしたいと思っています。 ◆準指導員検定についての単位制導入について 準指導員検定についての単位制導入について説明させていただきます。取った単位が3年間有効になる単位制の導入が2年前に正指検定で採用されました。採用理由は、正指検定は社会人の受検者が多いため不合格者が継続して受検できない場合や時間的な制約のために全種目を1から取り組むことが出来ず受検を断念するケースが目立っています。単位制を導入することによってこのような受検者も再受験する環境が整うのではないかということで3シーズン目になっています。この結果平成16年には1000人を切るといわれていましたが、減少傾向に歯止めがかかってきています。 ◆スキーを楽しむこと、楽しみながらチャレンジすることが大切この会場に指導員の資格を持っていて正指導員を目指す方がいますが多くの方が始めてスキーの指導者を目指すと思います。実技のほうですがどうしても検定種目にこだわってしまうが、まず何よりもスキーを楽しむこと、楽しみながらチャレンジすることが大切です。初めての方には検定の種目でやったことのない種目もあると思います。それはきちんと理解して演技しなければならないのですが、種目にこだわりすぎると本来のスキーの楽しさから外れてしまう傾向になりがちになります。検定の会場は車山高原スキー場を使用していますが、このスキー場は近くて便利でコンパクトで良いスキー場ですが、検定会が車山だからといって固執してしまうとワンパターンな滑りになりがちになってしまうので車山のほかにも北海道、五竜、ガーラ湯沢スキー場など変化に飛んだスキー場があるので体全体や足の裏で感じながら幅の広いスキーを目指してください。スキーのよいところはスキー自体だけでなくスキーを通して色々な人に出会えることだと思います。検定という同じ目標を持った仲間が日常生活を離れて山の中で生活をするわけですので検定を通じて今までになかったことを経験して一人でも多くの友達を作ってほしいと思います。貴重な時間とお金を費やして参加していただいていますので私たちも期待を裏切らないように精一杯手伝いたいとおもいますのでよろしくお願いします。 ※注釈(単位制については、神奈川県スキー連盟としては前向きに対応することを決定しておりますが、導入ということになる場合は、今年度受検者は切り替え年度につき、従来の判定基準を用い合否判定をいたします。次年度に単位を保留する場合は単位制の判定基準といたします。11月7日理事会にて)
◆『単位取得と受検上の注意点』その他受検に必要な知識 清水教育本部理事今日は第一回の養成講習会理論ということで今日から受検のためにスタートするわけですが、まず単位取得の件ですが今回の講習会と11月6日に行われる講習会も出席しないと受験資格を得ることが出来ません。雪上も11単位22時間の受講をしないと受検資格は得られません。 ◆理論講習会について理論講習会についてはやむをえない事情で出席できない場合は理由書を提出していただき、湯沢行事又は五竜Uで行う理論の補講を受講していただくことで理論の終了証が発行できるという形になります。但し、2回とも出席できない人は受験資格はありませんので留意してください。 ◆実技講習会について 実技については他県連と比較すると多くの講習会を実施しています。本年度は1.5泊(6時間)のコースも設定して単位不足にならないような配慮もしていますので皆さんも単位が不足にならないようにしてください。実技講習の場合は11単位22時間の単位が必要ですので1時間(0.5単位)でも足りない場合は受検資格が得られない為この辺はたくさんチョイスできるので必ず11単位22時間の取得をするようにしてください。 ◆今年度の実技講習会の特徴今年の養成講習会の特徴について説明します。北海道行事は単位取得に有利な行事であることは先に述べました。五竜行事は3回開催されます。五竜行事ではすべてポールをセットしてポールが出来るような講習会にします。湯沢行事、五竜Uでは先ほども述べましたが理論の補講を行います。理論の補講は2000円の実費がかかります。この補講は理由書を提出した人及び希望者も受付けます。車山Vですが受検の前週ですので有効なポイントのアドバイスをするという講習会にします。車山Vについては日曜日の午後、希望者について実技の補講を行います。この補講についても有料です。以上が今年度の養成講習会実技の特徴です。これから理論講習が始まりますが、講師から話された内容が筆記試験に多く出ますので是非ポイントをチェックして勉強して下さい。筆記試験での用語や歴史の問題ですが皆さんが勉強しなければなりませんが、後ほど検定委員長から範囲を出されますのでわからないところは11月6日に質問してください。単位をきちんと取得してすっきりした気持ちで受検してください。
◆DVD講習(教材;検定DVD) 上田SAJ専門員 神奈川県スキー連盟はスキーの楽しみを多くの人に伝えるために設立された公益法人です。オフィシャルブックにもスキー人口が減ってきているけれどもまだ指導員は不足している、指導員の数が増えればスキーの仲間を多く誘ってスキーの楽しみを教えていただけるということで非常に役割は大きいので是非皆さんの合格を祈願したいと思います。 昨年から言われている技術論と感覚論でいうと、技術論としては去年から非常に明確になっています。水平面に対しての角度が甘くなることによって谷側にずれていくのがテールコントロール、トップ&テールコントロールの特徴です。一方トップコントロールは山側に向かって角度が立つ(板が食い込む)形になります。技術的には明解に分かれていますが、感覚的にはテールコントロールは中心軸感覚(バランスをとりながら滑る)と重力による落下運動で、トップコントロール、トップ&テールコントロールは内足もしくは両足を主導していくということで感覚的には中心軸と二軸ははっきり分かれていくことでイメージ的にはずれていきます。トップコントロールとトップ&テールのパラレルターンは区別があまりついていないというところが感覚的な話になるのではないかと思います。 今年のオフィシャルブックは若干去年と変わって研修テーマのページが多くなっています。去年までは技術論を説明していたが今年からは指導方法論(指導の仕方)のほうに重点が置かれています。二軸と中心軸というのはある意味ではまったく違うところから始まることができて初心者の人がいきなり二軸で始めるとうまくいくかもしれない、それから今まで中心軸でやっていた人がどうやって二軸をやるのかというと、今までのトップ&テール(両軸)でやるところから入るとわかりやすいのではないかというと二軸というのは中心軸の上にあるのかという議論になりますが、技術論からは別物です。 このあと上田SAJ専門委員がまとめたパワーポイントで解説しながら『受検者のために』のDVDで実技種目の説明があった。
◆総務本部挨拶 上田総務本部長上田総務本部長より総務本部の組織と活動体の説明のあと阿部総務本部専門員による北海道ツアーのプレゼンテーションがあり、昨年度撮影したビデオ(約11分(本人曰く6h撮影を編集したとのこと))での紹介があった。企画の主旨は『滑れて美味しい』とのことで、詳細はホームページで紹介しているので、是非北海道スキーツアーに参加してくださいとのことでした。 ◆協賛企業紹介 塩沢観光協会 荒川様 より挨拶があり、特に塩沢観光協会からは昨年は地震の影響があった。実際の被害はなかったが、マスコミ等の風評被害が影響した。皆さんの来訪をお待ちしていますとのことでした。
◆理論講習『SAJデモの近況とスキー技術について』 佐藤拓也SAJデモ佐藤拓也SAJデモから自分がスキーを始めたきっかけと現在までのことや自分が指導者として心がけていることを実際に指導した実例を挙げながらの説明やメンタル面での心がけ、そして最後に技術的な話をしていました。⇒ 佐藤拓也SAJデモの講演録へ ◆理論講習『安全』(教材;スキーと安全) 和田安全対策委員長和田安全対策委員長からパワーポイントを交えて要点の説明があった。 ・おきてしまう前に何とかするというのが安全に対する考え方の基本である とのことであった。
◆理論講習『競技スキーのルールと審判』(教材;受験者のために、その他) 菊池競技本部長菊池競技本部長より『受験者のために』から競技に関する要点が説明された。説明の概要としてスキーの競技にはアルペン、ノルディック、フリースタイル、スノーボード等の種目があるが、ここではアルペンとジャンプ競技のみ説明するとのことあった。
試験については最低ノーマルヒルとラージヒルの区別は覚えておくようにとのこと。
◆理論講習『環境・自然』 堀SAK専門員講義の前置きで自分が資格をとったあとどうしたらよいのか整理をしてほしいとのコメントがあった。スキーには基礎、競技、ジャンプ、クロカン、スキーボード等いろいろなジャンルがある。その中でも進めたいのがこれから話をするバックカントリースキーである。基礎スキーには限界があるためバックカントリースキーをすることで応用範囲の広いスキーをやってほしい。バックカントリースキーとは自己責任でゲレンデの外へ出てスキーを楽しむことである。このスキーには必ず違った世界があるので指導員になったら是非紹介してほしい。 バックカントリースキーの注意点は、@自己責任、Aロープをくぐっていかない、B道具をそろえるということである。Bの必要な道具は、ビーコン、ゾンデ棒、スコップである。この3つの道具を持たなければ入ってはいけない。これは最低限のマナーである。(この後、受講者の1人にビーコン(受信機)を持たせて会場に発信機を持っている受講者がいるので探してほしいと実際の使い方のデモを行った)バックカントリーで最も危険な現象として雪崩があるとのことで雪崩についての説明があった。雪崩の原因は雪の中に弱層部分(霜)が出来、そこに積もった雪で雪崩が起きるとのことであった。雪崩に巻き込まれそうになったら、@逃げる(そうは簡単に逃げられるものではないがとの説明有)、A気道確保(埋まった場合の呼吸を確保)この2てんが重要であるとのこと。そして、起こった後、最初の15分間が生存するかどうかの勝負であるとのことであった。雪崩が起きやすい斜度としては、30°〜40°の斜面で起こりやすい。天気については冬型(西高東低の気圧配置)特に2つ玉低気圧の場合は山間部は大荒れになるということを覚えていてほしい。このような気象の時にはバックカントリーには絶対に行かないこと。最後に、バックカントリースキーは体力、知力を駆使して滑らなければならないが楽しいスキーであるので是非トライしてほしいとのことであった。また、八ヶ岳の山を3つ位覚えておくこと(試験に出るかもしれない?)とのことで締めくくられた。
◆理論講習 パネルディスカッション 森本SAK専門員、田村SAK専門員是非勉強してほしい項目として教程P136〜142のスキー用語、P42〜50の技術指導の展開は十分に勉強しておくこと、また『スキー検定受検者のために』のP63のスキー指導者規定は必ず読んでおくこととのことであった。佐藤SAJデモの講義で本人は試験にはあまり関係ないと言っていたがこの講義の中からも問題の出題があるとのことであった。特に『どういう指導者になるか』については重要であるとのこと。 受検に対して何が必要かについては 1.種目の理解(自分が受ける検定の種目の内容はきちんと理解してほしい) ◆検定までの各行事日程説明と諸手続きについて 百海教育本部理事
理論についてはどちらか1日が出席できなくなった場合は教育本部長宛に理由書提出&湯沢または五竜行事での補講の受講(有料)で単位取得を認定する。 実技については車山Vで1単位分の補講(有料)を実施する。また北海道Aコース、Cコースの早帰りについては本来Aコース;16H、Cコース;12Hであるが早帰りの場合認定単位はそれぞれ12H、8Hとなることを留意いただきたい。
◆あとがき指導員養成講習会理論1を取材しましたが、救済処置や土、日のみしか参加できない受験者のために、実技で土日参加の単位認定など受検者の都合にあわせた日程や、今回の理論講習会でのSAJデモの体験談の講義、受検者が参加する講義(ビーコンの使い方のデモ)等があり県連も色々と工夫していることがうかがえました。 記事:写真 富川貴幸広報委員
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