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南関東ブロックノルディック競技大会

平成21年1月16日（金）～ 1月18日（日）マウンテンパーク津南
広報委員　守谷紀之

◆0115（木）曇りのち雪

午後から休暇を取って県連の南関ブロックノルディックスキー競技会の取材に行く。草彅さんに１３：１０横須賀市役所前で拾ってもらい、自宅に寄って荷物を積み込み１３：４０出発。１４：１５目黒通りから環七に入る。カーナビがあくまで環八にこだわる。機械ってかなり諦め悪いというか、絶対諦めないというか。で、関越の直前で給油し、１５：１５関越自動車道練馬入口。１５：３５高坂ＳＡ到着、１５：４５発。１６：１９前橋ＩＣで一旦降りて道路代節約。１７：００関越トンネル。１１キロのトンネルを抜けると猛烈な雪で、５０キロ走行を余儀なくされる。
１７：３３六日町ＩＣ。ご一緒した永井さんが十日町のスポーツショップにノルディックの板を注文してあるので、それを受け取りに寄るのだ。十日町市内でちょっと迷ったが、１８：０４庭野スポーツ到着。

草彅さん	十日町　庭野スポーツ

店員さんが草彅さんや私にまで丁寧に挨拶してくれるので、ちょっとビックリ。後からご主人の庭野鉄雄さんが出てきて、いろいろお話を伺ったが、庭野さんは新潟国体十日町の実行委員会副会長で十日町のスキー協会の会長でもあるのだそうで、十日町がクロスカントリーの会場となることで、かなり張り切っている様子。また、庭野さんは自衛隊出身で、武山にもいたことがあるのだそうだ。なんと、横須賀のノルディックの監督富井稔さんの師匠というか大先輩になるのだそうで、２度ビックリ。ノルディックと自衛隊の輪が広がった夜でした。しかし、ノルディックのワックスは９５００円もするんですよ。やっぱりスキーはお金がかかることを実感しました。
その後、庭野さんから紹介されたすぐ近くの「にし乃」というお蕎麦やさんで名物のへぎ蕎麦を食べる。なかなか美味しかったが、まだ先があるので、お酒が飲めなかったのちょっと心残り。日本酒が美味しそうだったなあ。へぎ蕎麦は、布海苔（フノリ）がそば粉に混ぜてあるのだそうで、この辺りは昔織物の産地で、織物の洗い張りなどにフノリを使っていたのをだれかが蕎麦に混ぜることを考え付いたのだそうだ。喉越しがよく、食べ易いお蕎麦という感じです。へぎ（片木）という大き目の木の台に一口大に盛ったお蕎麦をきれいに並べた形で出てくるのが特徴で、それがまた美味しそうに感じる重要な要素のようです。さて、お腹が一杯になったので、津南に向けて出発。

名物　へぎ蕎麦

お蕎麦屋さん

途中のスーパーでお酒とつまみを調達して、快調に走っていると、先に着いた伊藤委員長から連絡が入り、津南スキー場の入口からすごい雪なので気をつけてくださいとの連絡が入る。え、という感じだったが、登りに入った頃から雪がちらつき始め、マウンテンパーク津南スキー場入口を右折することからはかなりの降りになり、道路の雪が増えてきて、本格的な登りに入ると、全く除雪されていなくて、車のお腹をこすりながらの走行になる。温泉街を過ぎるとまったく明かりが見えなくなり不安になるが、２０：００ころにマウンテンパーク津南ロッジ到着。荷物を降ろして草彅さんたちと別れ、スタッフ割り当ての部屋しらかばに行くと、中は真っ暗。あれれと思って隣の部屋をのぞくと、いましたノルディックの専門委員の皆さんが。伊藤委員長、勝又さん、和多さん、川口さん、伊藤（英）さん。よろしくお願いしますと、飲み始めたら、飲むわ、飲むわ、いつごろ寝たか良く覚えていません。ご馳走様でした。

委員会メンバー　伊藤委員長は中央

天候は晴れ

0116（金）晴れ
昨晩、初対面の皆さんと飲みすぎて、８：３０まで寝過ごしてしまった。慌てて、隣の皆さんの部屋を覗くと、皆さんまだのんびりしていたので、ほっと安心。食堂で一人朝飯を掻き込んで部屋に戻ると、スタッフの皆さんも着替えてスタンバイ状態。焦って着替えて部屋を飛び出すとサングラスや手袋を忘れて引き返したりと二日酔いの頭は大混乱状態でした。さて、クロスカントリーコースのスタートハウス前まで長靴姿でえっちらほっちら上がっていくと、いました、いました。ノルディックスキー専用スキー場という感じで、スキー場にアルペンスキーヤーが一人もいません。もっとも、すごい快晴だっていうのにリフトが１基も動いていないんだよね。で、今日はレースではなく、ノルディックの級別検定会とのこと。どんな検定なのか興味津々。草彅さんが種目を実演付で教えてくれたが、初めて聞く種目ばかりでこんがらかってしまう。

佐藤主任検定員

伊藤アシスタント

10時から検定会開始。検定員は3名で、主任が東京の佐藤清司さん、あとは神奈川の専門委員勝又敬夫さんと和多茂さんが務める。受検生は８名で１級４名、２級４名。因みに、ビブナンバー１は、横須賀の永井さんだ。がんばれ！
検定は、種目別にアシスタントが見本を見せた後１回練習滑走してから、ビブ順に滑って行います。種目は次の９種目があります。
【クラシカル】
１　ダイヤゴナル（交互滑走）（おなじみの片足づつ後ろに蹴って進むスタイル、パスカング走法）
２　ダブルポール（推進滑走）（ストックのみの滑走）
３　ワンキック、ダブルポール（１級のみ）（１と２のあわせ技）
４　クラシカル総合滑走
５　ダウンヒル

ダイヤゴナル（交互滑走）

ダブルポール（推進滑走）

ワンキック、ダブルポール（１級のみ）

ダウンヒル

【スケーティング】
１　ラピッド
２　スーパースケーティング
３　クイック
４　総合滑走

ラビッド

クイック

※検定中の写真は、画像データベースの南関ノルディック競技会
http://www.sak-archives.com/2009SAK/20090116_18Nnor/index.html
で、ご覧いただけます。

午前中で検定を終了しました、皆さんお疲れ様。検定の結果は午後４時からの選手会の後で発表されることになっている。ということで、ロッジに戻り食堂で昼食を摂って、役員部屋で３連盟打ち合わせ会の準備。出走選手のデータ確認とビブスの振り分けなどを行う。ビブはクラシカルとフリーで別のビブを使い、回収せずに記念品として使いきりだ。この辺は、アルペンとはちょっと違いますね。また、賞状も南関協議会専用のもので、金ぴかの縁取りがある豪華な賞状です。

午後２時から、食堂で３連盟打ち合わせ。
今年は神奈川県連が当番連盟として大会を主管している。伊藤委員長から挨拶があった後、各連盟別のビブが配布された。続いて、本大会のＴＤを務めてくれる地元津南スキークラブの志賀直哉さんからコースについての説明があり、あしたのクラシカル競技でコースの溝をどこまでつけるかで議論になったが、結局選手の安全が優先されたようだが、残念ながら私の知識ではお話についていけませんでした。m(_ _)m　ということで、午後４時から開会式＆選手会を隣のカガンポートレストハウスで開催することとなり散会。

打合せ	野地澄雄大会会長あいさつ

午後４時、開会式。
○野地澄雄大会会長（神奈川県連副会長）開会のあいさつ
南関東ブロックとして協力し積み重ねてきたノルディック競技会が、この津南スキー場を会場として開催できることを共に喜び合いたいと思います。また、大会開催に当たり、地元スタッフのご尽力に改めて御礼申し上げます。選手の皆さんには、国体に向けて調子を上げながら本大会に望んでいらっしゃることと思います。暗い世相に負けずに力を十二分に発揮していただくとともに、南関ブロックの交流の輪を広げるというもうひとつの目的も果たしていただきたいと思います。選手の皆さんのご健闘を祈念して、あいさつといたします。

伊藤敏光委員長

前田一行副委員長

○伊藤敏光委員長（神奈川）あいさつ
レースでは自分のＷＡＸをどう決めるかが一番大切なポイントになってくると思います。今までの経験の引き出しの中から最良と思われる選択をしてください。
○前田一行副委員長（東京）あいさつ
明日からの大会で、選手の皆さんは泥棒になって下さい。他の優秀な選手の「技」をしっかり盗み取る、そういう泥棒になってほしいのです。

佐々木保副委員長

保坂氏（地元）

○佐々木保副委員長（千葉）あいさつ
次は千葉が開催するので、そのヒントを貰って返りたいと思っています。また、引率の先生方に御礼申し上げるとともに東京、神奈川に負けないように選手の皆さんは頑張ってください。
○保坂氏（地元）
マウンテンパーク津南スキー場にようこそ。明日からの大会は是非ともがんばってください。

志賀直哉技術代表

保坂氏（地元）

選手会
○伊藤委員長
南関ブロック協議会規定及びＳＡＪ競技規則の最新版に基づき開催します。くれぐれも怪我のないようにお願いします。
○志賀直哉技術代表
津南のクロスカントリーコースは新潟県内でも屈指の難しいコースです。皆さんの持てる技量を全て発揮するために、特に下りでは行ける選手は直滑降で、無理な選手はボーゲンでとしっかり戦術を決めてコースに入った方がいいと思います。コースは、下りはトラックを入れません。また、コース途中に休みのレーンを設けてありますので、技量に合わせて休む方は休んでください。明日は８：３０にコースオープンしますので、選手は適宜調整を行ってください。
○選手宣誓　福元尋子選手（神奈川））

選手宣誓　福元尋子選手

検定会結果発表

検定会結果発表
○佐藤清司主任検定員
１級・２級受検者８名全員が合格しました。いつもならちょっと危ないかなと思う受検者がいるものですが、今回は全員胸を張って合格といえます。皆さん、よく練習されています。今後は、更に一つ上のクラスを目指して精進してください。特に１級合格の方は、指導員を目指してより深くノルディックスキーを追求してほしいと思います。
○勝又敬夫検定員
一部の受検者にストックワークに若干癖のある方がいました。上の技術を目指す中で正しいストックの使い方を学んでほしいと思います。レースの中でも正しいストックワークは大切です。

佐藤清司主任検定員

勝又敬夫検定員

朝から上越特有の湿った雪

大会の運営が思いやられる

0117（土）雪
朝から上越特有の湿った雪、それもかなりの降りだ。大会の運営が思いやられる。後で知ったが選手はこういう日は大変なのだという。ＷＡＸを間違うと、スキーのソールに湿雪がついてしまい、それがどんどん重なって「ゲタ」と呼ばれる５ｃｍから時には１０ｃｍくらいの厚みになって、まるで前に進まなくなってしまうのだという。調整中の永井選手に声をかけてＷＡＸはどうですかと聞いたが、昨日の晩に塗ったものはもうしかたないので、それで勝負するしかないんですよねと言っていました。当たっていたのか外れていたのかは、教えてくれませんでした。さすがにレース前の選手は本音を明かしませんね。ま、天気予報は分かっていたので、若干の修正ですむのかな。すごい選手になると１０本くらいの板に別々のＷＡＸを塗って、ＷＡＸテストコースなどで試してみるのだとか、レーサーはどこの世界でものめりこんでいます。
レース前の作業でアルペンと大きく違うのが、スキーのマーキング作業で、レースに使うスキー両方にレースのシールを貼り、剥がれてしまっても分かるようにマジックでシールとスキーに割り印のような印を入れます。これを選手全員のスキーに行なうので、マーキングのテントの前は長蛇の列となっています。アルペン出身の私の目には新鮮に映りますが、周りの皆さんは当たり前の風景のようです。永井さんも新品の板にしっかりマーキングを受けていました。なんか勿体ないみたい。

マーキング

レールカッター

で、９時４０分だったと思いますが、第１前走スタート。１０分後に第２前走が一斉にスタートし、１０時丁度に競技開始。１５秒間隔で、次々に選手がスタートしていく。スタートバー、電子音などは、アルペンの大回転と全く一緒ですが、流石にジャンピングスタートをする人はいませんが、結構緊張感の漂うスタート風景です。スタート順は、ジュニア男子（５ｋｍ）、マスターズ50以上、同55以上、同65以上、成年男子Ｃ、少年男子、成年Ｂ（ここから10ｋｍ）、成年Ａ、ジュニア女子（ここから５ｋｍ）、少年女子、成年女子Ｂ、成年女子Ｃという順番です。１０時２４分４５秒には全員スタート完了。

渋谷選手

水品選手

縄田選手

長嶺選手

少年男子で、馴れないせいか、ストックをスタートバーの手前についてしまい、思いっきり前に押し出したから、スタートバーのユニットに当たって、てこの原理でバッキリとストックが折れてしまった選手がいてビックリ。役員が代わりのストックを貸してあげて事なきを得ました。ノルディックではストックを折ることは珍しいことではなく、交換もルール上認められていると聞いて２度ビックリ。でも、スタート審判の勝又さんはスタートで折った選手は初めてだと目を丸くしていた。で、全員のスタートの写真を撮り終わってほっとしながら振り向くと、もう成年Ｃの選手がゴールに向かってくる。ビブナンバー２８はＳＣカメの縄田選手だ。早！横須賀の水品選手はちぎられたみたいで、ちょっと間があってからゴール。続いて東芝の渋谷選手もゴール。併せて先にスタートしたジュニアの選手も次々にゴールしてくる。

縄田選手

水品選手

いやはや、忙しい。ゴールラッシュが一段落したので、コースを少し遡って登りを頑張る選手の取材に出かける。来ました、ビブナンバー７４は日本イーライリリーの長嶺選手、７０は横須賀の北原選手、７２は厚木の村田選手。彼ら成年Ｂ組は５ｋｍのコースを２周です。後は、千葉県の高校生が続々登りを上がってきますが、元気な選手とやっとの選手がはっきりと別れています。彼らも２周ですから、大丈夫かなという選手もいましたが、すごい馬力の選手もいて将来が楽しみな感じがしました。若者がいる県は羨ましい。なんて思っていると、あっという間に成年Ｂ組が２週目でやってきました。伊藤委員長が各選手の脇を走りながら激励しています。これじゃあ選手は頑張らざるを得ないよね。伊藤さんと一緒にコースを回ってきた野地副会長が「草彅選手が見えないけどどうしたのかな」と、心配していましたが、実は草彅選手はＷＡＸが合わなくて、スキーの裏に雪が多量にくっついてしまい、いわゆる「ゲタ」状態になってしまったため、やむなくリタイヤしていたのでした。突然の新雪はレールの中に積もってしまい、そういういたずらをしでかすのだそうです。後は高校生が本当に苦しそうに登っていきます。思わず、あと少しで下りだ、頑張れ！と声が出てしまいます。選手のすぐ側で応援できるのがノルディックのいいところですね。なんて考えながらゴールに戻ってみると、あと３人でレース終了とのこと。しんしんと雪が降る中、選手を待つのもなかなか辛いものです。疲れ果てながらも３人は仲間と役員の声援の中しっかりゴール。ゴールするとすぐにマーキングを確認してレース終了。あのスターでストックを折った選手も無事ゴールしたそうです。そんな話をしている役員の皆さんの雰囲気がとってもアットホームな感じで、ノルディックっていいなって思ってしまいました。

晴れ

スタートから

0118（日）晴れ
昨日とは打って変わっていい天気。選手もＷＡＸ選択大変ですねって聞いたら、フリーはそれほどＷＡＸにこだわらないんだよって答が返ってきました。どーやら止めＷＡＸがいらないって事らしいです。難しいなあ。スタート前の調整タイムに津南のクロスカントリーコースってどんなものか見てみようと思い立ち、長靴でとことこコースを歩き出した。調整をする選手が来たりしてコースの端に寄るとズボっとはまってしまうのでかなりしんどい。林の間に入ると森閑として自然の真っ只中という感じ。ウサギの足跡も極当たり前のようにコースを横切っていたりする。途中で５Kmと２Kmの分岐があったので、迷わずショートカット。誰も通っていないコースを歩いて、再び整備されたコースに戻り、すぐに昨日坂の上で応援した上り坂になるが、これがただ歩いても結構な登りなんですね。ここで頑張れって応援されるのって、選手にとってはすごいプレッシャーかもなあと思ってしまう。
なんとか、スタート時間までにゴールハウスに戻り、スタンバイ。昨日と同じく、10時前に前走が一斉スタートし、10時丁度から選手がスタートを開始する。今日は、スタート後の直線が終わって緩い登りにかかる地点で撮影した。全く同じところで、昨日1位でゴールした縄田選手が、子供さんを連れて今日選手としてレースに参加する奥さんや仲間の応援をされていました。今日は良い天気ですねえ、なんてあいさつをしながら、パシパシ写真を撮っていると、お嬢さんが待っているのに飽きてしまったみたいなので、彼女の写真を撮ったりして結構和んでしまいました。最終の選手が通過すると、今度は５Kmでゴールする選手がぞくぞく帰ってくるので、その写真を撮ったりとなかなか忙しい。

永井選手

北原選手

村田選手

縄田選手

縄田愛ちゃん

福元選手

草彅選手

また、今日も登りの写真を撮ろうと思い坂の上まで行くが、選手があまり来ないのでその先まで出張する。と、そこは地獄のような登りがありしかもＳ字にカーブして、ばてた選手には本当に地獄のような場所でした。元気な選手にもかなりきつそうな坂で、志賀ＴＤの県内屈指の難しいコースというのも肯けます。（本当は下りが大変なのだそうですが、そこへは結局行けずじまいでした。）横須賀の北原選手が2周目を登っていったのを確認して、もどり始める。こういう苦しい体験を共有しているからノルディックの選手も役員も一体感があるのかななんて思いながらゴールハウスに戻ると、後数人を残すのみとなっていました。川口専門委員が賞状の印刷に宿舎へ戻り、他の役員は撤収の準備にかかります。３都県の役員とも、よく働きますね。北海道の出身者が多く「なまら、まいった。」なんて言い合いながらいい雰囲気でやっています。コースを1周してきた縄田さんがコース上にあと3人残っていて、1人はかなり遅れているとの情報をくれました。最後の高校生がゴールすると選手、役員皆で健闘を讃えます。都連の井上さんがご迷惑をおかけしましたとわざわざ挨拶に来られ、本人に聞いたらやめないというから、それなら最後まで頑張れと励ましたが、こっちも（声の出しすぎで）大変だったと笑っていました。選手も役員の皆さんもお疲れ様でした！