大会副会長 野地SAK副会長 |
神山良平(神奈川)、吉原ゆみ子(千葉) |
◆第6回神奈川県・千葉県スキー技術選手権大会
2007年1月20日(土)〜22日(月)、第6回神奈川県・千葉県スキー技術選手権大会、神奈川県SAJスキー技術選手権大会選手選考会、第11回神奈川県学生スキー技術選手権大会、千葉県SAJスキー技術選手権大会選手選考会、千葉県スキー技術クラブ対抗戦が開催されました。
◆開会式 大会副会長 野地SAK副会長
神奈川県と千葉県が共同で開催して参りましたこの大会も、早いもので今回で6回目を迎えました。本年もこうして350名を超える選手の皆さまにご参加頂き、大会を開催できることを嬉しく思います。
エルニーニョ現象の影響で世界的にも暖冬が続き、雪不足が多いと聞いております。イタリアで開催を予定しておりましたフリースタイルの世界選手権も延期されたと聞いております。しかしこの車山高原スキー場は年が明けてから積雪に恵まれまして、一昨日も積雪がありましたので、コースの状況は大会運営には全く支障がない、良い条件で仕上がっているようでございます。
コース整備や大会の運営面など多岐に渡るご支援を頂いております地元スキー場スタッフの皆さんや
パトロールの皆さんに心よりお礼申し上げます。
さて選手の皆さんはこの大会を目指して、オフシーズンを含めて課題の克服や新しい目標に向かってトレーニングや技術の研鑽に励んで来られたと思います。
是非コースの特徴を読みきって積極果敢な滑りを見せて欲しいと強く願っております。
SAJ技術戦選考会の切符もかかっておりますので、ホットな戦いを期待しております。
またこの大会は千葉と神奈川の選手同士、あるいは役員同士の交流も大きな目的のひとつであります。
その意味では大会中は大きな声で声援しあったり挨拶をし合うなど、気持ちのよい大会にして欲しいと思います。
これはサポートの皆さまにもお願いしたことですので、ご協力をお願い致します。
最後に選手皆さんのご健闘を祈念するとともに、天候によっては大会のスケジュールに変更が入る可能性がございますので
アナウンスに十分ご注意頂き、運営面にご協力頂けますよう、重ねてお願い致します。
◆選手宣誓
神奈川県 神山良平 選手
千葉県 吉原ゆみ子 選手
我々選手一同は、車山の斜面を怖がらずに、いかなる時も精一杯頑張ることを誓います。
◆1月20日(土)大会1日目 予選
大回り・急斜面整地フリー(スポーツマン)、小回り・急斜面整地フリー(スポーツマン)、
総合滑降・総合斜面整地フリー(ビーナス)の3種目による予選会が行われました。
参加選手 男子289名、女子62名の内、この予選結果により男子は上位200位タイまで、女子は上位50位タイまでが準決勝に進むことができます。
天候は晴れ、整備されたバーンは若干柔らかめで、非常に条件の良い予選会となりました。
大回りと小回りの行われたスポーツマンコースは、非常にきれいに整備された絶好のコンディションだったので、かえってスキー技術の優劣が如実に現れてしまいました。
それは種目の演技以前の基礎的な操作技術の部分で、大回りの場合はスピードに乗った切れのあるターン弧を描けるか、小回りの場合は均等なリズムで雪面を捉えた滑りができるか、といったものです。
総合滑降は広いバーンをひとりで占有できる訳ですから、スピードに乗った滑りとバーンを広く使った演技が期待されます。
サイドカーブの大きなロングターン用のスキー板を履いている選手は縦に長く大きな円弧が描けていましたが、短い板で大きな円弧を描こうとする選手は滑走スピードにターン動作が遅れ気味で、結果としてスキー板のバタツキが見受けられました。
◆1月21日(日) 準決勝
大回り・急斜面ナチュラルフリー(スポーツマン)、小回り・急斜面整地フリー(スポーツマン)、総合滑降・総合斜面整地フリー(ビーナス)の3種目による準決勝が行われました。
男子は上位100位タイ、女子は上位30位タイまでが、決勝ラウンドに進むことができます。
天候は午前中は雲ひとつない快晴、昼過ぎから曇り空となりましたが、昨日以上の好条件に恵まれました。
大回りの急斜面バーンはきれいに整地された固めのバーンで、大回りには絶好のコンディションです。準決勝ともなると技術レベルも高いため、どの選手も素晴らしい滑りを見せていましたが、
滑走スピードの速い積極的な滑りで、且つブレのないターンを描く選手に、より高ポイントが出ていたようです。
小回りの行われた急斜面バーンは大きく硬いコブが不規則な上に、コブとコブの間に凍結した広いエリアがあり、この部分できれいなターンが描けるかどうかが、ひとつのポイントとなりました。
また急斜面から緩斜面へと斜度変化のある部分では転倒者も多く、難しいコースだったと言えます。こうした場面ではスキー技術もさることながら、積極的に攻めていくメンタル面での強さが要求されます。
総合滑降の行われた総合斜面バーンはコース中間部分を規制しており、急斜面の大回りから中間斜面の小回りへと規制された中でどれだけ演技できるかがポイントとなります。
急斜面部分でのスピードを生かして中急斜面につなげた選手は評価が高く、他の種目同様ここでも積極的な滑りがポイントとなりました。
◆成績発表・表彰
15:00からは、成績発表、および表彰が行われました。対象は、神奈川が学生、男子2部、クラブ対抗の3クラス、千葉がクラブ対抗、男子2部、女子2部の3クラスです。
神奈川・男子学生クラスでは、杵渕桂一朗選手(バディースキークラブ)が優勝。2位に星野努選手(慶大スキッピースキークラブ)、3位に稲葉慎一郎選手(バディースキークラブ)が入賞しました。
神奈川・女子学生クラスでは、1位に二階堂彩子選手(平塚スキークラブ)、2位に田島優選手(バディースキークラブ)が入賞しました。
神奈川・男子2部(35歳以上)クラスでは、石濱慎司選手(シーサイドスキークラブ)が優勝。2位に槻橋正峰選手(日立ITスキー部)、3位に西高志選手(慶大スキッピースキークラブ)が入賞しました。
また神奈川・男子2部(45歳以上)クラスでは、江川善一選手(ファルケンスキークラブ)が優勝。2位に袴田修二選手(横浜市教職員スキー同好会)、3位に吉田昌史選手(横浜スポーツマンクラブ)が入賞しました。
◆総評 伊東敦総括審判長
昨年もこの大会をジャッジしておりますが、技術レベルに関しては昨年と同様に上位のレベルの選手にはあまり進歩が見られず、下位のレベルの選手がより上位選手に近いているという印象です。
もう少し雪の状況や斜面の状況に合わせてスキーの板を走らせる動きを見せて欲しかったと思います。
私は昨日と本日、総合滑降を担当しておりましたが、スタート直後の急斜面でしっかりとしたエッジングができるかどうか、この部分である程度の点数が決まります。
急斜面の難易度の高いところで、ターン弧が大きくてただ落ちてくるだけの選手には高い点数は出ていませんでした。
小回りに関しても、スキー板を振るだけでの運動だけではなく、しっかりとターン弧を作りターンのスピードを上げて滑って頂ければもう少しポイントの高い評価が得られたと思います。
◆
1月22日(月) 決勝
大回り・急斜面ナチュラルフリー(ビーナス)、小回り・急斜面ナチュラルフリー(スポーツマン)の2種目による決勝が行われました。
この結果、男子総合優勝は佐藤拓也選手(神奈川・平塚スキークラブ)、2位は同得点で平井良司選手(千葉・船橋スキークラブ)と中村浩章選手(神奈川・シーフェルスキークラブ)が受賞しました。
また女子総合優勝は原織選手(神奈川・ハマスキークラブ)、2位は佐伯育美選手(神奈川・エキスパートスキークラブ)、3位は武井智栄選手(神奈川・ビッグクラウドスキークラブ)がそれぞれ受賞しました。
◆閉会式 挨拶 大会副会長 野地SAK副会長
今年の大会は天候に大変恵まれまして、スタートからゴールまでがはっきりと見渡せる好条件の中で開催できたことを、選手の皆さんと共に喜び合いたいと思います。
そして運営面においても、地元のスタッフ方々や選手の皆さまのご協力により、無事に予定通り大会が終了できることを改めて御礼申し上げます。
大会の総評に付きましてはこの後、審判長より詳細な報告があろうかと思いますが、
下から見ていて、この車山のコースと当日の条件をより知った選手、それをより表現できた選手が確実に上位に食い込んだように思います。
また今回、SAJ技術選手権大会選手選考に選ばれた選手は、県代表であると共に今回の大会に参加された350名を超える選手の代表であることを意識し、
本大会では今回参加された選手の皆さまの活力となるよう頑張って欲しいと思います。
最後にこの大会を支えて頂きました車山高原スキー場のスタッフの皆さまにお礼を申し上げ、閉会の挨拶としたいと思います。
◆技術代表(TD)挨拶 木村徳善 SAK教育本部長
選手の皆さん、大変お疲れさまでした。この3日間、合計8種目の競技が繰り広げられましたが、参加者の意欲の感じられた非常に良い大会であったように思います。
今年度、総合滑降でナチュラル規制によるリズム変化という新しい種目を用意しましたが、実際に滑られて如何でしたでしょうか?
この後、全日本派遣選手の発表が行われます。選考に選ばれた方はもちろん、選ばれなかった方も次の目標に向かって進んでいってもらいたいと思います。
◆総評 柳橋総括審判長
この3日間、私が担当した種目の中で気がついた部分を述べたいと思います。小回りの整地は条件的には非常に良いバーンで、多少柔らかいかなと思いました。あまり高得点の出ない種目ですが、ただスキー板を振るだけではなく、しっかりとしたターン弧を描き、スキーの動きと体の動きをマッチさせた運動を見せて欲しかったと思います。
不整地の大回りに関しては、不整地と言ってもしっかりとしたコブが作られた斜面ではありませんでしたので、ターンしにくかったとは思います。ただしその中でもしっかりとしたターン弧を描いて下りてきた選手に、高得点が出ていました。
最近はカービングスキーが主流になって参りましたので、コブを滑る機会が大分少なくなってきたように思います。大会では必ず不整地種目が含まれていますので、機会を見つけてコブの斜面をもっと練習してください。
決勝の大回り種目に関しましては、コースが2日間総合滑降の種目に使用したコースでしたので、総合滑降の流れで大回りをされている選手が目立ちました。
大回りはただ惰性で滑ってくるのではなく、スキーの切り替えの部分であるとか、ターン弧をしっかり描いてくる部分などをしっかりと表現して欲しいと思います。
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