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北海道 強化合宿レポート
SAJデモンストレーター 佐藤拓也さんレポート
写真 総務本部専門委員 阿部文善

佐藤拓也SAJデモンストレーター

今年も北海道に来ました
電脳オキナのホームページはこちら (阿部文善 総務本部専門委員)(写真満載)

◆強化合宿の講師で参加

 2004年12月15日(水)〜19日(日)、神奈川県スキー連盟主催の北海道ツアーに参加してきました。昨年に引き続き、強化合宿の講師ということで呼んでいただき、Aコースにて、一日遅れで強化合宿に合流しました。

今年の冬は雪の降り始めが遅く、本州ではどこのスキー場も十分な降雪に恵まれずオープンできずにいるスキー場が多い中で、北海道では雪は少なめではありますが、まずまずのコンディションにてトレーニングを行うことができました。そういった意味でも、今年は特に北海道まで来た甲斐があったと思います。

◆テーマは、「ベーシックな技術の確認」

 事前の講師の打合わせで、今回の強化合宿のテーマは、「ベーシックな技術の確認」ということになりました。これから始まるシーズンに向け、ベースとなる技術の確認をしておくことで、技術の組み立てを理解し、各自が自分の課題をみつけられるのではないかと考えたからです。そのために伊藤明子強化委員長が、S、A、C、全てのコースの参加者の初日の講習を担当し、テールコントロールからトップコントロールまでの基本的な運動の確認を行い、その後、僕が2日目の講習を担当し、テールコントロールからトップコントロールまでの内容を実践的な技術へと発展させる流れになりました。

ルスツで何とか滑れました

湿った雪でも徹底練習

◆圧雪されたゲレンデを嗅ぎつけて

 僕が合流した合宿2日目は、ルスツにて講習が行われました。この日は伊藤、吉野コーチがAコースで参加の方を担当し、僕はSコースでの参加の方を担当しました。内容としては、先にもふれたように、この日が初日となるAコースの参加者にはベーシックなトレーニングを、そして2日目となるSコースの方はもう少し発展したものとなりました。

 しかし、この日はあいにくの雨模様。午後からは回復傾向にありましたが、前日から降り続いていた湿った雪のために、ゲレンデには一面重い新雪が積もっており、講習を行うバーン選びに苦労しました。途中で修学旅行生を見つけ、もしかしたらと思いそちらの方に行ってみると、案の定圧雪された斜面がありました。(こういう滑りづらい状況では初心者は滑れませんから、修学旅行生が滑るゲレンデだけを整備することがよくあります。)今回は初滑りの方も多くいましたし、どんな斜面でも滑れるようになるというよりは、ベーシックな技術をテーマにしていたので、僕の班は圧雪されたゲレンデにおじゃましての講習となりました。

 講習の内容は、前日のテールコントロール、トップアンドテールコントロール、トップコントロールの技術の組み立てを活かし、その内容を発展させ、実践的な滑りの中でそれらの技術を使い分けることにテーマをおいて行いました。ポイントとしては2軸運動感覚だけでは対応しきれない部分での中心軸運動の使い方にありました。内主導のターンではターン後半まで重心が山側に残ってしまうケースが多く見られます。そこで重要になってくるのが、どのタイミングで重心のターン内側への移動を止めて次のターン方向へ移動させるのか、またその時の身体の使い方は・・・という話をさせていただきました。

伊藤コーチ(強化委員長)

強化も楽しいですよー

◆朝里川は思っていた以上に天候も安定

 合宿3日目は前夜からの予想通り、強風と降雪による大荒れの天気となりました。この日は札幌国際に行く予定でしたが、この悪天候の為、スキー場に向う道路が通行止めになっているという情報を受け、急遽予定が変更され、朝里川に行くことになりました。

 スキー場に到着すると、思っていた以上に天候も安定し、前日のルスツと比べると雪質も良く、やっと出会えた北海道らしいコンディションにほっとしました。

◆身体の向き、ズレとキレのコントロールを

 この日からCコースの方も合流し、北海道行事も公式日程に入りました。強化合宿も全ての参加者が集り、にぎやかさを増し、またテクニカル・クラウンの事前講習が行われることもあり、強化担当の僕たちも班編成や人数確認など、講習前からあわただしくなりました。

 講習の方は、テク・クラの事前講習を吉野コーチ、S+Cコースの方を伊藤コーチ、そしてAコースの方を僕が担当しました。僕の班の講習は、基本的には前日にルスツでSコースの方に話した内容と同じですが、多少斜度のあるバーンを使えたということもあり、斜行系のバリエーションなどを多く取り入れ、外向、正対、内向という身体の向きと、ズレとキレのコントロールについての話をさせていただきました。腰がまわり過ぎてしまったり、外向が強く出すぎてしまったりと、なかなか言うことを聞いてきれない私たちの体ですが、スキッデングとカービングを使い分けるためには、スキーに対しての膝の向き、腰の向き、胸の向きを上手くコーディネートすることが重要になると思います。いろいろな斜面を上手く滑るためには、意外と横滑りなどといった地味な練習が必要だったりするのかもしれませんね。

条件は最高です

チェックをしながら

◆現地のデモに教わる

 合宿4日目は、前日と同じく朝里川にて講習が行われました。この日はテク・クラの検定もありました。強化の担当講師が検定のジャッジにまわらなければならないこともあり、現地の朝里川スキースクールに所属している、ナショナルデモンストレーターの輪島千恵さんとSAJデモンストレーターの斎藤人之さんに強化合宿の講師をお願いすることになりました。二人とも人柄は勿論、レッスンには非常に定評のあるデモンストレーターです。レッスンの内容については細かくは分かりませんが、ショートポールを両手に持ってのトレーニングや、ハンズフリーでのバリエーションを行っているのが見えました。講習を受けた人達に感想を聞くと、「楽しかった」、「わかりやすかった」、「先生が上手かった」という声が聞かれました。現地のデモに教わる今回の企画は今年が初めての試みですが、とても良かったと思います。できれば僕も検定の前走ではなく、その日だけはレッスンにいれてもらいたかったです。(来年は真剣にお願いしようかな・・・。)

 僕は斎藤人之さんとはデモ選のときに同じ部屋でした。一人で参加していた僕は、北海道チームの部屋に入れてもらったのですが、北海道の選手たちはいろいろと優しく接して下さって、楽しいデモ選になりました。これも北海道の土地柄からきているものなのかなと思っています。これからはレッスンを受けるなら、北海道デモかもしれませんね。

不整地もなんのその!

気持ち良い!合宿にきませんか

◆重心の移動をテーマに

 最終日は、フリーということになっていましたが、講習を希望されている方が多いということもあり、午前だけではありますが講習を行いました。この日は特別講師で神奈川の選手である工藤英朋さんが来てくださったので、技術選を目指している人達と、もう少しベーシックなトレーニングをしたい人達との2班編成にて行いました。工藤さん、伊藤コーチがベーシック班を担当してくださるということになったので、吉野コーチと僕は技選班を担当しました。

 ここでは、「スキーをどう動かしていくか」ということがメインだったこれまでの内容から、少し発展させて、「重心の移動」をテーマに講習を行いました。重心移動という言葉はいろいろなところで耳にすることが多いと思いますが、ここでは「重心の谷への落下」を中心に講習を行いました。この部分はターン始動において非常に重要な運動になってきますし、2軸運動感覚を理解するうえでのポイントになる部分です。しかし、全日程を通してみなさんの出来が悪かったのもこの部分だったような気がします。これができると自然な内傾角がでてカッコイイんですけどね。当然、僕の教え方にも問題があったのだと思います。今後の反省として、もう少し分かりやすいレッスンの組み立てと、言い回しができるようにしていきたいと思います。

◆順位や、合否にこだわる気持ちを強くもって頑張ってください

 今年の強化合宿も無事に終わり、ここからは各自が自分のフィールドで目標に向かってトレーニングを積んでいく時期になります。僕もまずは県予選に向けてコンディションを整えていきたいと思っています。スキーにはいろいろな楽しみ方がありますが、強化合宿に参加してくださった方には、チャレンジする気持ちをもっていただきたいと思っています。強化合宿が他のレッスンと違うところは、成績を出すことが目的だというところです。楽しかった、分かりやすかった、というところで満足せずに、順位や、合否にこだわる気持ちを強くもって今シーズンも頑張ってください!


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