ホーム > 行事レポート > デモンストレーター合宿

デモンストレーター合宿


神奈川・千葉地区予選で

第42回全日本スキー技術選で

◆デモ合宿の緊張感は何とも言いようのないものが

 3月29日から31日まで群馬県尾瀬岩鞍スキーリゾートで行われた、デモンストレーター合宿に参加してきました。今回の合宿は、1シーズンに2度行われるデモ合宿の2回目になります。11月に行われた前回の合宿と同様にナショナルデモンストレーター・SAJデモンストレーターが参加し、合同で行われました。また今回は、韓国からも4名デモンストレーターが参加し、僕たちと同じ内容の研修を受けることになりました。

 昨年の4月にこの岩鞍で行われたデモンストレーター選考会で初認定を受け、今シーズンからSAJデモとして県連行事を中心に活動してきましたが、新人デモの僕にとってデモ合宿の緊張感は何とも言いようのないものがあります。

◆雪と風の中で雪上トレーニング

 初日は夜の集合でしたので、日程の確認を中心としたミーティングのみで解散となりました。そして2日目から雪上研修が行われましたが、この時期にしてこの寒さはあり得ない!と言いたくなるような雪と風の中で雪上トレーニングは始まりました。今回の合宿は平川さんの組み立てで、リーディングデモの渡辺一樹さん、伊東秀人さん、佐藤久哉さん、山田卓也さん、柏木義之さんをリーダーとした5班に分かれ、リーディングでものリードのもと指導方法論を中心に現場の指導の中でよくあるトラブルや問題点に対し、その対処法や、克服するためのトレーニング方法を提案し、ディスカッションしながら行いました。

 僕は渡辺一樹さんの班に入り、この班にはナショナルデモの粟野さん、岸さん、能登さん、SAJデモの石黒さん、菅家さん、齊藤さん、市川さん、池田さん、竹内さん、佐々木君が入りました。

 最初は、初心者の指導をモデルに用具をチェックするポイントについて話し合いました。その後、各自レッスンに入る前に重要視しているポイントを発表し意見交換をしました。ここではその後のレッスンをスムースに進めていく上でもコミュニケーションをしっかりとる必要があるという意見が各デモの方から多く聞かれました。その後、ストレッチ〜歩行〜方向変換〜推進滑走へと進み、基本ポジションの確認のあとで直滑降〜プルークへ研修は進みました。止まった状態での基本ポジションと直滑降での基本ポジションの違いは、止まった状態での基本ポジションが姿勢をキープするものであるとすると、滑っていくスキーに対してポジションをキープするということは身体を滑っていく方向に移動させることが重要だという話がありました。僕は姿勢をキープするというと運動を止めようとしてしまっていたので、非常に参考になる内容でした。その後、昼食をはさみ、引き続きプルーク、そしてプルークターン、午後の最後にパラレルを1本滑り1日目の雪上研修を終えました。

◆理論講義

 雪上研修終了後すぐにホテルに戻り、スキージャーナルのカメラマンの方が撮ってくださった研修中の映像を見ながらのビデオミーティングがありました。また夕食のあとにもミーティングが行われ、平川さんの講義を聞きました。ここでは来シーズンに向けた方向性の話があり、これまでの情報伝達の問題点や、今シーズンからの修正点についての話を聞くことができました。その中でカービングに偏りすぎたこれまでの考えを修正し、カービングは技術の一つに過ぎないという認識に戻すこと、また、デモンストレーターは学者ではないのであくまでも雪の上でのプレーヤーとしての立場から指導にあたることが重要であるというお話がありました。今シーズンはスキーを科学することをしてきましたが、その結果スキーヤーの感覚とかけ離れすぎてしまった部分が多かったことから、来シーズンはその修正の時期になるというニュアンスの内容でした。

◆とても良いトレーニングに

 3日目の雪上研修は、前日の最後にふれたパラレルターンから入りました。ここでのポイントは外側の股関節の動きを止めないことにありました。回転方向に運動し続けること、また、そのためには運動ができるポジショニングができている必要があります。僕は前日の直滑降と同様に滑走中に運動を止めてしまう傾向にあったので、デモコーチにアドバイスをもらいながらの研修はとても良いトレーニングになりました。

 今回のデモ合宿も2日半という短い日程でしたが非常に濃い内容のものでした。現在のSAJが抱えている問題点として、中央研修会〜各ブロックでの研修会〜各都道府県連での指導員研修会へと情報伝達が進む中で、内容がうまく伝わっていないことが挙げられています。具体的には、デモ合宿や中央研修会では、テールコントロールやトップコントロールといった操作の違いを理解することから始まるものが、地方に行くにつれ種目として捉えられていたり、そのスタイルを真似ることだけになってしまっていたり内容が伴っていないことです。この課題に対しSAJデモである僕が果たさなければならない役割があるのではないかと感じています。みなさんに正しい情報を伝えていくためにも、今回のような合宿での経験を活かし、デモンストレーターとして成長していきたいと思います。


北海道のプライズテストの前走中

神奈川・千葉地区予選の決勝大回り

ホーム > 行事レポート > デモンストレーター合宿