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車山T行事
指導員研修会・公認検定員クリニック

平成15年12月6日(土)〜7日(日) 江口潤 広報委員

写真:クリニックでメガホンを持つ片常務理事
メガホンを持つ片常務理事
写真:写真を撮っている江口広報委員
取材中の江口広報委員

第1日目 
理論実技講習は、グループ別(研修班、クリニック班)で実施されました。

◆午前講習
 初日午前は、研修班が理論講習、クリニック班が雪上実技でした。広報は研修班に密着することにしました。総務担当の越前谷さんから「デジタルビデオカメラで撮りまくるから」と支援宣言頂いたので、その言葉に甘えました。

◆理論講習(am10:15〜am11:50)※研修班
 DVD視聴(am10:15〜am10:45)
 2台の小さいモニターで、新しい教程の要点を視聴しました。音は聞こえるのですが、後方に着席した方は、ほとんど画面は見ることができなかったのではないでしょうか。今後はスクリーンに写し出す工夫をすべきと感じました。(午後の部はプロジェクターを使用しました)

◆検定変更点の解説(am10:45〜am11:15) 担当上田SAJ専門委員
上田委員により、プロジェクターを使って詳細な説明が行われました。要旨を以下にまとめました。

 検定改定の基本方針は、昨年の機構改革に引き続き、新組織で機能強化のシーズンとして取り組むとのことである。変更点のポイントは以下の6つ。1.技術志向の偏重を是正し、スキースポーツの底辺の広い普及・振興をねらい、「基礎スキー検定」から「スキー指導者検定」へ、「基礎スキー技能テスト」から「スキーバッチテスト」へ変更する。2.平成18年度を目途に2本立ての制度を1本化にする作業段階中。「公認スポーツ指導者制度」の関連に固執しないで独自の方策をもとめていく。3.指導者制度一本化「技術と指導」発刊。「安全編」は次年度改訂予定。4.受検しやすい検定を基本理念とする。指導員検定での単位制導入、2級の自己申告による認定合格とする。5.レルヒ少佐が明治44年高田においてスキー講習を行ったことに因んで1月12日に記念事業が関係団体で行われる。6.スキー場のコースの難易度標示の統一化を目指す。

スライド 南関での実技 ニュートラルポジション

◆中央研修会実技技術の仕組みの解説(am11:15〜am11:50)
  担当上田SAJ専門委員、コメント山田SAJ立会責任者

 SAJ教程改定作業部会のはじめ(5月)から教程改訂作業委員会の書記として参加していた上田氏により、中央研修会で伝達された講習内容の解説が、プロジェクターを使って行われました。この時に使われたPPのスライドは、県連のHPに掲載されると聞いています。ここでは、何度も注釈役で登場した山田SAJ立会責任者のコメント要旨を掲載します。
「初心者がカービングの板を履いて緩い斜面で講習を始める時、この方法がよりベターだ。ノーマルの板は今までどおりの指導でかまわない。指導員個々が何十年も積み重ねた技術、それよりもスキー板の性能が急速にポテンシャルを向上させてしまった。市販されている板でW杯優勝できる時代になってしまった。スキー板のポテンシャルを活かした指導法が必要なのである。長年大切にしてきた指導法の固定概念とは異なる指導法、もっと進化した指導法を市野氏は持っている。平川氏もその方法に歩み寄りつつある。外向傾はいらない。」
「ニュートラルポジションの時、斜面に平行にウエストライン、ショルダーラインを持って来たが、これからは必要ない。」

スライド 写真:南関での実技 トップコントロール
内膝を絞ることは、スポーツの常套手段である。例えば、ゴルフのスイング(全てのプロゴルフャー)や野球のバッター(例として、ドラゴンズの福留選手)も同様である。しかし近年、全てのスポーツで変化が起きている。外側の腰からリリースする、外腰からターンをし始めなさい、と中島常幸選手は言う。佐々木明選手は左ではできるけど、右は外向傾を作ってしまう。両方ができれば表彰台の真ん中に立てる、と市野氏は主張する。理論には合点がいくが、実際には諸般の事情(筋力など)から破綻することもある。実践は困難である。しかし、膝を絞り込む、極端な外向傾は止めて滑ってみよう。スキーの前後差もなるべく無くそう。できるだけ平行にして滑ろう。」
「市野理論は、山回りで溜めを作り谷回りに入っていくような場合の溜めがない。緩斜面ではできるが、急斜面ではスピードが出すぎてしまう。」
「中央研修会のPPスライドは、動画を上田氏の撮影し、テキストは浜島氏が担当した。このPPスライドは他の中央研修会で役立っている。」
「県連の講師も外向傾を作ってしまいがちである。」
スライド 写真:南関での実技 テールコントロール

スライドの「まとめ」に掲載された3つのポイントを最後に掲載します。
●実技研修は試してみることが大事であり、より効果のある指導法の工夫に心掛ける。新たな指導法が生まれてくることに期待する。
●指導や検定には評価はとても大切である。しっかりとした評価をするため、常に我々指導者は「いかに表現しやすい斜面や場を提供できるか」を考慮すること。
●指導の場では、わかりやすい言葉で豊かな表現力を身につけるとともに、伝達講習にならず、効果、問題、課題などお互いに出し合うことのできるワークショップ的な場面も適宜設け、各自の持っている感性を引き出せるような幅広い指導法の模索に努める。

写真:スノーボードの研修風景
スノーボードの研修会も開催
写真:雪上の研修会風景
雨の中の研修になってしまいました
午後講習(pm1:30〜pm3:00)
研修班の約280名の指導員の先生方が、シトシト降る雨の中、雨上(?)講習に取り組みました。霧もかかり、照明も点灯されました。多くの班が60分ほどの雨上講習を終えると、レストランに避難し、情報交換に残りの時間を当てていた様です。広報は長靴を履き、傘を左手に、デジカメを右手に、何とか何枚かの講習の様子を収めることに成功しました。ご協力有り難うございました。
写真:閉会式の風景
閉会式
写真:専門委員の研修風景
講師研修も行われました

第二日目
講師の早朝トレーニング(am8:30〜)
開講式で渡辺主任講師から、「講師の皆さんも、実は座学のみで、実際に滑っていない。各班の講習が足慣らしで終わるかもしれないが...」との挨拶に刺激されたのか、講師の先生方は、早朝から実技研修をされていました。

午前講習(am9:00〜)
天候の回復した2日目は、研修班、クリニック班入り乱れての雪上講習となりました。クリニック班は半ばから、評価の観点の確認を、緩斜面にて実施していました。

閉講式(am11:00〜)
広報の知る限りでは、大きな怪我人の発生、事故の発生も無く、講習会は終了しました。この研修会は、スキー指導者の今後のあり方について、様々なヒントが得られたような気がしました。スキー指導者の組織改革について、トップダウンとボトムアップ、組織論でよく使用されるこの言葉を想起します。両者の良いところを絶妙な匙加減で使い分け、スキー界が更に発展していくことを願うものであります。

謝辞
徳田監事、越前谷事務局長(総務担当)、徳本広報担当理事のサポートもあり、無事取材を終えました。ご協力ありがとうございました。

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