ホーム > 行事レポート > 第59回国民体育大会 1  

第59回国民体育大会
山形県

平成16年2月21日(土)〜24日(火)

神奈川選手団集合

山形県赤倉GS会場
PDFファイル リザルト

2004年3月2日

「雪清く 人あたたかく 夢熱く」第59回山形もがみ国体

第59回国民体育大会冬季スキー競技会が、「雪清く 人あたたかく 夢熱く」をスローガンに、3月21日山形県最上郡最上町の最上中学校グラウンドで開会式を行い開幕した。大会は24日まで。山形でのスキー国体開催は1992年の「べにばな国体」以来12年ぶり5度目。秋篠宮同妃両殿下をお迎えしての開会式は47都道府県の2000人以上の選手、役員が入場。神奈川県勢は比留間悟(GS選手)旗手を先頭に選手(ジャイアントスラローム25人、ノルディック10人)役員(碓井団長以下本部役員、県連常務理事の片副団長、菊地総監督、アルペン、ノルディック監督、コーチ)が入場行進した。

ジャイアントスラロームが最上町の赤倉温泉スキー場、距離が真室川町の秋山クロスカントリー・コース、ジャンプ、複合は山形市の蔵王温泉スキー場の3会場で行われた。

今回本県選手団にジャンプ陣はいない。ちょっと寂しい。


バイオリニストの池田敏美さん

高島夫妻が激励にきてくれた

歓迎レセプションとバイオリンコンサート

冬の国体で今年初めて民泊が行われた。本部宿舎は奥羽本線の東根、アルペン会場、宿舎は陸羽東線の赤倉温泉、クロスカントリーは奥羽線真室川、それぞれが60〜70キロも離れている。真室川ではクロスカントリーの選手、監督は民泊になった。一般の家に数人ずつ宿泊するのだ。選手、監督たちはどうなるのだろうかと心配していたが、いざ蓋を開けてみるとそんな心配は皆無。開会式の前々日の夜に地区の方たちが公民館で神奈川の選手団の激励会、前日には監督会議後に歓迎レセプションで歌や踊りで大歓迎、とかえって恐縮だったとか。

アルペンの宿舎には、以前神奈川に住人で現在は山形に住んでいる高島夫妻が激励にきてくれた。横浜の須藤体協会長の同級生で、夫人は東京フィルハーモニーのOBでバイオリニストの池田敏美さん。大広間でヴィバルディー四季の中の冬、北の国から等数曲を演奏、激励してくれた。選手はすばらしい演奏に聴き入っていた。この上ない激励だったに違いない。ありがとう御座いました。


大回転競技のコース

大きな波乗りのようにも見えるバーン

3日間の事前合宿で調整

大会に先立って18日から20日まで、アルペンの選手は鬼頭スキー場で、クロスカントリーは秋山クロスカントリー・コースで、最後の調整をした。調整中に本県選手同士の接触トラブルもあり足を痛めた三星眞奈美選手は様子見となった。選手達はこれまでのトレーニングと予選を勝ち抜いてきたその積み重ねによる疲労、筋肉の痛み等を渡辺トレーによるマッサージとストレッチ指導で回復、大会に臨んだ。「調子は上々、今年は得点が期待できる」と河口監督。

大きな波乗りのような難しいコース

22日 、くっきりと空青く、風も無く2月の天気とは思えないほど暖い。スタート地点の気温は10℃、スノーコンクリートも役に立ちそうにない程。ゴールから見上げると大きな波乗りのようにも見えるバーンにセットされた36旗門のコースはかなり難しそうだ。

段の上の旗門を抜ける時次の旗門は見えない、急斜面に飛び出して初めて次の旗門が見えるという設定だ。多くの選手がそこで大きく飛ばされ、ロスタイムをしていた。午前9時30分から期待のジャイアントスラローム成年男子Aがスタート。本県勢トップスタートで期待されたビブナンバー75番三星雄大選手は1分09秒09で62位、82番の森健選手は1分09秒99で71位、121番佐宗洋彦選手は1分09秒58で68位。139番の水口朋哉選手は28旗門付近でコースアウト。第一陣としてはちょっと物足りない。

やった7位入賞だ!

成年男子Bでは昨年旗手を務め、10位でシード権を得た下村泰則選手は13番目のスタート。スピード、コース取りも上々、1分06秒24でフィニッシュ。電光掲示を振り返り両手でガッツポーズ。一時は4位につけていたが最終的には7位入賞を果たした。ゴール横に陣取る県の選手達から「やったー」「ウオー」の喚声。県勢初めての得点だ。

これに続く選手を期待するが、26番スタートの原田健司選手は1分9秒98で39位、65番尾花 研選手は1分10秒55で50位だった。この日のアルペン陣の得点は2点。

同日9時30分、秋山クロスカントリーコースでクロスカントリー成年男子C5キロクラシカル、成年女子B5キロクラシカルがスタートした。天気は曇り、無風で気温は3℃。男子は樋口清浩、石原啓選手、内藤誠選手が出場、30位、38位、42位、東北、北海道勢は強いの一言につきる。石原、内藤の両選手は初出場で相当上がっていたようだ。石原選手はスタート直後に転倒、これで緊張がとれた、と。内藤選手は観客の多さにスタート時は頭の中が真っ白だったようで、予選で一番良いタイムだったのに今回は最後。これがタイムを悪くしたのでは、と監督が振り返る。上位グループとの差は5分から6分、もう一段の強化が必要と思われる。紅一点成年女子Bの渡辺幸子選手は13位だったが、トップ選手との差が8分もある。


暴風波浪注意報のなかで…

風にあおられたリフトの搬機が絡む

初めての経験、競技キャンセルそして再開、20旗門のGS

23日 、北海道付近に居座る低気圧で夜半から風雨が強くなり、朝方には霙(みぞれ)から雪に変わり暴風波浪注意報もでた。監督さん、コーチ達は5時起きで朝食も取らずにコースに出かけ、アップバーンの準備や選手の待機する場所を確保するなどコースの下見と立っているだけでも厳しい競技コースに配置。「死ぬ思いだった」に全く頭が下がる。

スタートが遅れ、宿舎待機の連絡がはいる。監督会議での結論は成年女子 A が12時、男子 C 13時10分のスタート、成年女子Bは15時20分に遅らせ、少年女子は明日に延期する事に。風にあおられたリフトの搬機が絡まりリフトが動かないため選手はゴールからスタートに向かって、コースに沿って歩きながらのインスペクション。インスペクションが終わり前走1分前に「競技キャンセル」、「選手は待機」の連絡。そしてまた一転「再開します」のアナウンスと混乱模様。あちこちから「どうなってんだ」の声が飛ぶ。結局再度の監督会議で成年女子 A は明日に延期、成年男子 C と成年女子 B はスタート地点を更に200メートルほど下げ20旗門で競技する事に決定した。

天候雪、スタート、フィニッシュ地点気温は0〜1℃。 湿度 100 。13時9分、10人の前走の後競技が開始された。

北野選手入賞にあと0.02秒、9位に入り1点得点

得点に一番近いと予想された比留間悟選手はコースが短いためか僅かなミスを取り返せず37秒99で惜しくも16位、草間弘樹選手は38秒64で27位。96番スタートの北野教正選手はすばらしい滑りで、37秒73でゴール、みごと9位に入った。各県の得点は2人までという規程から、繰り上がっての1点の得点となり昨日の得点とあわせ合計3点。ジャイアントスラローム成年女子 B は連続出場で昨年14位、今年は上位入賞が期待された内田美穂選手は18位、森川順子選手は19位(昨年17位一昨年32位)とあと一歩及ばず。残念。


風に向かって走る状況

頑張れ

予想を上回る出来

秋山クロスカントリー会場は、霙と強風。風に向かって走る状況では皆苦しんでいた。しかし「選手の出来は予想以上のできだった」と小川監督。

クロスカントリー10kmクラシカル成年男子 A に出場の岡田俊介選手は17位、実力を出した。浦野裕之選手は29位、中沢覚選手は43位、同成年男子 B の縄田尊司選手15位、渋谷悟選手23位、伊藤雅史選手は28位で得点にはからまなかった。

一日目のコンバインドジャンプ、本日のコンバインドクロスカントリーは本県勢の出場がなく寂しい。

 最終日24日 、今日は昨日の天気とは大違いの晴天、選手にとっては自分の力を十分出せる好条件だ。各会場での熱戦もあと一日。昨日実施予定の成年女子 A と少年女子が今日に繰り越されたためスタートは早い。今日も監督、コーチは5時起き、食事なしで競技バーンへ。ご苦労様。  

ジャイアントスラローム少年男子は7時10分インスペクション開始、8時スタート、5人が出場した。落合克允選手が81位、佐藤義朗選手が132位、阿多宏峻選手136位、小野文彰選手155位、林田伊久哉選手はDSに終わった。まだまだという感じ。今回の大会出場を良い経験として更に向上して欲しい。

11時10分スタートのジャイアントスラローム少年女子には4人が出場。43番スタートの高井美弥選手が72位、93番スタートの井出晶子選手が73位、103番スタートの三浦奈奈選手はよい滑りであったが、ゴール直前の2旗門前でスキーが外れ39旗門両足不通過で失格してしまった。117番スタート田中未起選手は73位だった。来年に期待したい。


お疲れ様でした 北野教正さん

がんばれ神奈川! 応援ありがとう

まさかのゴール寸前転倒

12時50分には成年女子Bで得点に最も近いとされた2人が好位置でスタートした。9番スタートの服部七穂選手は前半ミスのない滑りだったが後半の急斜面に入る旗門でミス、タイムをロスし26位に終わった。ゴール後「失敗してしまった、佐藤さんにがんばって欲しい」と残念がることしきり。

35番目にスタートした佐藤未佳選手はスピードもコース取りも良く前半、中盤も切れの良いターンで通過、急斜面への飛び出し毎に位置を決めて構えているビデオカメラのファインダーに、他県選手の時のタイミングよりも早め早めに入ってくる。見ている人たちからも「おお!これは早いぞ」の声が上がる。上位入賞も間違いなしの滑りに見えた。最後の急斜面にスピードに乗って突っ込み、のこり数旗門。ゴール手前から3旗門目を鋭くターンしたところで雪だまりにスキーを取られ頭から転倒してしまった。ファインダー越しに確認。ゴール付近からも「ああ!!!」。

柔らかい雪がたまった所をコース係が整備していなかったのだ。なんと佐藤選手の転倒後は短い間隔で整備していた。

「大丈夫か」と心配して駈け寄った総監督に、佐藤選手はコースから出て雪面をたたいて「くやしいー、最高の滑りだったのに、得点出来なくってごめんなさい」と悔し涙。

70番スタートの与口華那選手は自信最高の滑りで22位に入った。ビデオを構えて待っているところに県連事務所から電話がはいる。迂闊にも受けてしまい与口選手の滑りをビデオに収める事が出来なかった。残念、申し訳ない。三星真奈美選手は足の具合が良くならずDS。

入賞にそんなに遠くない

11 時30分スタートのクロスカントリー・リレー成年男子は第 1 走者浦野裕之選手が8 番目とよい位置につけ、第二走者岡田俊介選手が一人抜き7位に、第三走者中沢寛選手が7位を維持したが縄田尊司選手が抜かれ、昨年より順位一つを下げ12位に終わった。

得点はアルペン下村泰則選手が7位に入賞の2点と北野教正選手の9位による1点、計3点ではあったが、アルペン陣は入賞のチャンスが増えてきており他県との差は僅かながら縮まりつつあると言えよう。クロスカントリーについては選手層も薄くその差は大きい。雪なし県神奈川としては底辺を広げることが、先ず取り組まなければいけないことではないだろうか。

選手、監督、コーチ、トレーナー、本部役員の皆さんお疲れ様でした。 


 次へ >
ホーム > 行事レポート > 第59回国民体育大会 1