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スノーパラダイス in北海道 札幌国際 ポール講習会
大井智子 広報委員レポート

スタート風景
2人は再会した‥
◆「ポール講習会」
 12月13日の札幌国際スキー場。前日は「キロロ」と「ルスツ」ではなればなれに取材に当たっていた広報委員2名が,なみだの再会を果たした。

◆うつろな目で「旗門数は21」
 今日は,ビデオとデジカメで「ポール講習会」を取材する。11時。さっそく「メルヘン第一リフト」に乗り込み,「決戦の火ぶた」が切り落とされるファミリーコースの出発点に到着した。すでにポールは,指導員研修会や養成講習会などの班員の,大雪の中での涙ぐましい協力によりセットされている。21旗門のGSLで,長さは600mほどといったところか(と,「車山研修会T」で再会した木村徳善理事にあとから教えてもらった。車山のペアリフトに乗るとき,「木村さん,札幌国際でのポールの旗門はいくつでしたっけね」と聞くと,「ちょっと待ってね。いま数えるから」と宙にうつろな目を泳がせてから,「21」と答えた。どうやって数えたんだろう。おそるべし!)。

スタート風景
よし、がんばろう!

「シャッターは早めに」
 まずは練習。50才以上という参加資格をクリアした面々,約15人は,いずれもかつてポールで「ぶいぶい」腕をならした烈腕ぞろい。三浦広報委員が中間地点にスタンバイして,ビデオ撮影を開始する。あまりの大雪さに,三浦さんの姿が白い景色にかきけされそうになる。ああ寒そうだ。きっと手がかじかんでいることよ。わたしも中間点付近でデジカメを構えた。

動く物体を撮影するコツは,厚木スキー協会でホームページを作成するなど,経験豊かな三浦広報委員に,行きのバスで伝授してもらっていた。ようは「撮りたいところに到達するより手前で,早めにシャッターを切る」ことに尽きるらしい。
やってみた。点のように小さかった競技者たちは,あっというまに視界から消えていく。みんなスキー板をはいて,ポールの中をくぐりだすと,まったく年齢を感じさせない。は,はやい。撮影した写真を確認すると,いまにも去っていこうとしているスキーヤーが,画面の右端にちよこっと写っていた。ああ難しい。

スタート前の風景
みんなでデラパ お疲れ様

◆「みんなでデラパ」
 午後の本番は,スタート地点に1時集合。昼食前にゲレンデを巡回して,ほかの班の研修風景や,ゴンドラ下り場からくっきり見えた海の景色を,こーふんしながら撮っていたら,昼飯を食べるのがすっかり遅くなってしまった。三浦広報委員とともに,「すぐにできますよ」という「なんとかサンド」と命名されたホットドックのようなものを,とりあえずガツガツとかっこむ。わずか数分間のお食事だ。 「遅れるけど,できるだけ早く行きます」と,本田衛義理事に伝えて,スタート地点についたのは1時30ごろ。だれもいない。一同,インスペクションがてら,デラパージュに下りていったらしい。スタート地点にはただひとり,ごろんと横になって「ポールコースを守っている」という感じの人が残っていた。「デラパかけると疲れちゃうから」と笑って話すその人は,横浜スキー同好会の安藤弘基さんであった。

◆「正指とったら,『旗』遅くなった」
 みんなが到着したのは,それから20分もしてからだ。せっかくだからと,待っている間に,安藤さんのお話を聞くことにした。実は,だいだい色のウエアを着た安藤さんは,さっきからマークしていた。練習時にデジカメを構えた時に,取り損なってしまった一人だ。なにしろ早い。あっという間に画面から消えてしまう。ぱっと滑りを見た時は,30代か40代かと思ったぐらいだ。ぱんぱん,ポールに当たったりもする。
 「さっき練習で,早かったですねえ」と話しかけると,「正指とったら『旗』遅くなっちゃった。当時は,横滑りさせたり,ワイパーウェーデルンといったのをやらされたからね」と教えてくれた。スキーをはいて,50年というからすごい。

がんばれ!

緊張していますか

◆「基礎やってても,うまい人は早い」
 安藤さんは71歳のかっとびスキーヤー。本日のポール設定の感想を聞くと,「ほんとうは,きゅっと回っている深回りの方が,カービングの練習になると思う」と言う。それからわたしと三浦広報委員は安藤さんの話にしばし聞き入った。
 「スキーは小学校の時にはいた。伏屋さんと一緒に全日本マスターズ大会に出場もした。昨シーズンは体調を壊してスキーに行けなかった。車山の研修会にはいつも参加している。同窓会みたいなものだから。最近,ポールレッスンを始めた。年に一度はSIAの講習も受けている。60歳を過ぎると,ガクンと技術や体力が落ちる。それでも,スキージャーナルは読んでるよ」。さすが。
 「50歳以上と,参加資格を区切っている,今回のポール大会の試みはどう思われますか」とたずねると「いいと思うよ」との答えが返ってきた。

◆僕も69歳で優勝した
それから「『基礎と競技ではスキーが違う』という考えをもっている人が多いが,基礎スキーをやっていても,うまい人は,旗をくぐっても早いよ。おととしのフェスティバルで,片(忠夫常務理事)さんも優勝したでしょう。僕も69歳で優勝したよ」と話は続いた。 「『基礎と競技は違う』なんて言わず,もっともっとポールをやるべきだねえ。タイムを聞くと,『おれはこんなにへただったのか』と思うはずだよ。大きいターンの大きいポール設定をすればいい。大きいポール設定で,『ずらさない』ことだね」
 そうして安藤さんは,「あの人なんていうの。去年もいたよね。大きい人。はやいよねえ」としきりにつぶやいた(北海道ツアーでのたくさん写真をとってくださり,わたしのデジカメ撮影の不足分を大きく補ってくださった,ソニー厚木の阿部さん。あなたのことでした。すばらしい)。それから,「やっぱり滑りは,朝一本目がいちばんいいねえ」と最後に付け加えた。なんか,大きくていいなあ,とわたしたちはじーんとしていた。わたしも絶対,今年はポールをくぐるぞと,決意した。
 さて,それからわさわさと到着したメンバーの間で,次々に血と血で争う戦いが,白銀の世界を舞台に繰り広げられた。

がんばれ!

日も射して暖かそう

◆ポールとはみんなの協力のもとで成立する
 スターターの内海さん,雪じぞうになりながらも大きな声でスタートコールを続けてくださりありがとうございました。三浦さんとビデオを交代してた私には,「いつ人が降りてくるか」がよくわかって助かりました。ゴールの伏屋さん,本田さん,木村さん,それから皆々様。ポールとは,みんなの協力のもとで成立するものなのだと改めて実感しました。さらに心やさしい皆さんは,わたしたち広報委員にも,練習と本番とポールを1回ずつくぐる機会を与えてくださった。結果は,翌日の懇親パーティの席上で,華々しく公表されることになる。「広報の部・第一位・三浦綾子。第二位・大井智子(なんのこっちゃ。広報は二人しかいない)」と。

81歳の押川顧問

華々しく公表‥

◆来年も、ぜひ北の台地で戦いましょう!
 さて,最後に結果を記しておこう。ここに記した人々は,やはりパーティの華々しい壇上にて祝福された。すばらしい商品の数々をゲットしたのは言うまでもない。来年も,ぜひこの北の大地で戦いましょう!

女子の部・第一位・川崎礼子

長老の部・第一位・押川泰夫

ジュニア長老の部・第一位・安藤弘基

熟年の部・第一位・木村征紀

壮年の部B・第一位・江藤征彦

壮年の部A・第一位・阿部文善


女子の部・第一位・川崎礼子
長老の部・第一位・押川泰夫
ジュニア長老の部・第一位・安藤弘基
熟年の部・第一位・木村征紀
     第二位・梅津仁
     第三位・川崎辰雄
壮年の部B・第一位・江藤征彦
      第二位・水附謙太郎
壮年の部A・第一位・阿部文善
      第二位・山陰敬三
      第三位・星均
      第四位・今野広

「ポール講習会」はおしまい。


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